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ジーエス・ユアサコーポレーション 依田誠社長

EV電池 次世代へ
依田誠社長

 −今年の景況は。
 「そう悪くはならないだろう。円高の是正措置は必要だが、日本のファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)は悪くない。東南アジアは元気。米国も回復に向かうが、欧州経済は先が見えない」

 −エコカー需要が世界で伸びている。
 「電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)は市場変化が速い。国内外ほとんどのメーカーがエコカーを計画・販売するようになった。車メーカーとリチウムイオン電池メーカーの連携も特定のペアから組み合わせが広がっている。自社だけの顧客と思っていたら、他社から電池調達する例もあるし、逆もある。電池の競争相手としては韓国勢が侮れない。中国勢は実力が分からない」

 −EV向けリチウムイオン電池生産の展望は。
 「2012年4月から生産開始する栗東工場のEV約5万台分を合わせて、草津工場、京都工場の3拠点で約7万台分を作る計画だ。栗東工場に隣接する4万4千平方メートルについても追加取得を検討している。12年ごろには走行距離やコストを改良した第2世代の電池が作れそうだ」

 −EVの世界標準規格争いが始まっている。
 「EVをまだ量産化していないドイツが標準規格を作ろうとしている。日本のEVを基に欧州車サイズで規格化する狙いのようだ。電池、車に強みを持つ日本勢がもっとがんばらないと」

 −アジア向け車載バッテリーが好調だ。
 「人口が増加する国は底力がある。中国、インド、ASEANで車とバイクの販売が増えており、追い風が吹いている。アジアにライバルはいない」

 −車載バッテリーの日本市場は。
 「パイ拡大は期待しない。とはいえ車保有台数は700万台もあり、消耗品のバッテリーにとっては安定市場。産業用バッテリーも需要は底堅い。横ばいの中でどう展開するかが国内市場のポイントだ」

決断 「悩まず自信持って」

 決断したら悩まず自信を持って前へ進む。いつも胃が痛くなるが、自分で責任を取る。
 30歳から4年間、中近東に駐在し、バッテリーの価格交渉をしてきた。アラブ商人は華僑やインド商人などと比べても手ごわく、一つ譲歩するとさらに譲歩を迫られる。「上司に相談」と言ったら負けだった。「もう少し踏みとどまれたのでは」と年中悩んだものだ。若い頃から自分の責任で決定してきたので、決断には後悔しない考え方が身に付いた。

【2011年1月20日掲載】