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ローム 澤村諭社長

早期に過去最高収益
澤村諭社長

 −社長就任初年度となる今期の業績は。
 「リーマン・ショック後の構造改革が奏功してきた。大きいのは2008年10月に買収した(沖電気工業の半導体部門の)OKIセミコンダクタの収益改善だ。赤字だったが、今期に黒字化できる見込みだ。代理店販売が大半だったOKIセミにも直販体制を導入するなど販売、開発、製造各部門にロームの手法を導入する指導が効果的だった」

 −課題に挙げていた海外戦略の強化策は。
 「営業面はまず中国の強化を進める。内陸部にも顧客となりうる研究開発企業が育ちつつあり、今期末までに五つの営業拠点を中国内陸部に設ける。インドにも今期中、ブラジルは来期の早いうちに販売子会社を置く予定だ。顧客密着型の営業を展開したい。米国や中国などにある開発拠点の人数も増強する」
 「生産面でも為替の影響を受けない体質をつくりたい。半導体製造工程のうち、前工程は国内、後工程は海外というのが基本方針だが、ウエハーを計測する前工程の最終部分を中国・天津、タイ、フィリピンの工場へ移管する予定だ」

 −注力する商品は。
 「(次世代半導体素材の)シリコンカーバイド(SiC)を使うダイオードとトランジスタの量産化に踏み出すことができた。大幅な省エネにつながるSiCで電源制御モジュールなどの開発を進めたい。10年以内には500億円規模の売り上げが期待できる。同様に省エネ製品としてLED(発光ダイオード)部門も強化する。現在は300億円の売り上げがあるが、早く500億円にしたい」

 −来期以降の電子部品市場をどう見る。
 「スマートフォン(多機能携帯電話)の台数は年率50%ペースで伸びる。タブレット型パソコンの数も倍々で推移するだろう。中国ではエアコンのインバーター化が猛スピードで進む。流れをとらえてリーマン・ショック以前の業績に戻し、早期に過去最高の収益を実現させたい」

決断 「活路見いだすのは自分」

 人生最大の決断は、やはり社長への就任。佐藤研一郎・現名誉会長から最初に打診を受けたときは、とんでもない、社員2万人の命はよう預かりません、と思った。モットーとする「虚心坦懐(きょしんたんかい)」で覚悟を決め、お受けした。
 学生時代に進路に迷った時、デール・カーネギーの著書「道は開ける」に励まされた。活路を見いだすのは自分。意見を聞ける社員や友人、家族を大切にすることが良い決断につながる。

【2011年1月22日掲載】