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ワコールホールディングス 塚本能交社長

中国販売、一気に拡大
塚本能交社長

 −景気の回復状況は。
 「流通もメーカーもどこも読めていない。景気回復を待っていたらジリ貧だ。3年ほど前から種類を多く見せる売り方に変えた。量販店はプライベート(PB)商品を売るため、われわれの商品を含め在庫を総枠規制している。売れている商品の在庫が入らないのはおかしいと、量販店のトップと話をしている」

 −売り場が増えない中、利益をどう生み出すのか。
 「百貨店は今は出店に消極的で、総合スーパーも食品など専門店業態に変わってきている。昨年、加齢による体形変化を発表して以降、採寸希望者が増えている。生活などについて話を聞き、合う商品を薦めることで、複数買いにつながっている。百貨店の社員向けに商品の勉強会を開き、販売のできる社員育成を手伝うなどの努力もしている。今のところ売り上げ、利益とも予想より上ぶれして推移している」

 −若者向けブランドを手掛ける不振の子会社「ピーチ・ジョン(PJ)」をどう立て直すか。
 「PJは商社。受注してからメーカーに注文を出していた。従来の通販に代えてネットで購入する客が増え、納品までの時間が見えるようになってキャンセルが増えた。今後は海外展開と、PJを卒業した人向けの商品作りに取り組みたい」

 −今後の海外展開は。
 「中国では日本と同価格帯が売れているが、もっと高くても売れると言われる。ワンランク上のブランドも考えたい。2012年度目標の同国での売上高100億円は1年前倒ししたい。中国はグループの生産基地と考えているが、人件費が上がり先が読めない。増産分はベトナムやタイ、インドネシアなどに振り分けている。今は、現地でチェーン展開する小売業と組み、一気に販売を拡大して知名度を高めたい」

決断 「客や社員の声ヒント」

 「何でこんなことやるの」「何でやらないの」といった客や社員の声を聞いているときにヒントが出てくる。自分では下着を作ったことがないし、女性用は着用しない。だからそんな声を聞くと素直に考えられる。僕が理解できれば客にも理解してもらえるはず。
 社長になって23年、無理をしたことがない。無理とはできないことを背伸びしてやること。ただ後悔はしたくない。その都度目いっぱい頑張り、やっぱりここまで、と思えばやめる。

【2011年1月26日掲載】