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京セラ 久芳徹夫社長

ブランド力高め、新興国開拓
久芳徹夫社長

 −国内外の景気に停滞、減速懸念が続く中、主力のデジタル機器向け部品の需要動向をどうみているか。
 「東日本大震災後のサプライチェーン(部品の調達・供給網)の混乱で、第1四半期(昨年4〜6月)にセットメーカーが多めに手当てした部品在庫ははけてきたが、デジタル機器の生産は上がっていない。(中華圏の需要期の)春節分は作り込みが終わり、1月が底ではないか。タイの洪水被害に遭った企業の生産体制は良くなっており、2月から需要は上がっていく」

 −昨年来の超円高への対策はどうか。
 「米国、欧州、中国、アジアの販売拠点に購買部隊を作り、海外部材の採用を増やしていく。部材を調達できる機能を日本だけでなく各地域におき、世界中で使う部材を集中購買する。一部で始めているが完璧ではないので今年拡充していく」

 「セラミックの添加剤に使っているレアアース(希土類)価格が高くなる中、使用量を減らす技術、使わない技術の開発を進めている。少しずつ開発品も市場に出している」

 −昨年は工具製造のユニメルコ(デンマーク)、自動車用液晶パネル製造のオプトレックス(東京)の買収を進めた。
 「買収の基本は、いろいろな既存事業を伸ばせる案件で、今まで手掛けていなかった市場へのチャレンジも対象だ。オプトレックスは車載用液晶パネルで世界一。われわれは車載用には参入できておらず、既存の液晶事業とタッチパネル事業を拡大していきたい」

 −4月には子会社4社の社名を事業内容に合わせて変更する。
 「例えば医療材料製造の『日本メディカルマテリアル』はどのグループか分からない。『京セラ』ブランドは新興国でも浸透しているし、事業を拡大しようというのが一番の狙い。グループ力も集結して事業展開していく。各社が新市場に出て行く際、先に行った企業と顧客の情報を共有したりすれば相乗効果がある」

 国内外の大災害に欧州債務危機と超円高、電力不足など、強い逆風が続く中で明けた2012年。歴史的ともいえる難局をどう打開し、新たな成長軌道をいかに描くのか、京滋主要企業のトップに聞く。

【2012年1月10日掲載】