京都新聞TOP > 経済特集アーカイブ > 京滋企業トップに聞く
インデックス

オムロン 山田義仁社長

製造現場の省エネ技術提供
山田義仁社長

 ―工場自動化機器の需要をけん引してきた中国市場でも景気の減速がみられている。
 「欧州債務危機など短期的にマイナス影響を受けているが、人件費の上昇で省人化ニーズは高く、中長期で間違いなく成長する。最優先で注力する。中国やインド、南米の新興国向けに操作を簡易化して価格を抑えた自動化機器のラインアップを急いで拡充している。ヘルスケア事業も売上高をインドで4割、中南米で3割伸ばしており、期待できる」

 ―円高や部材価格の高騰をどう乗り切るのか。
 「昨年はかなり厳しい環境だった。妙手はないが、事業を伸ばす中で海外生産の強化を進めたい。海外調達を増やし、日本にある外資商社からの部材購入も外貨建てにして為替影響を小さくする。現在、対ドルで1円の変動が利益を9億円押し下げるが、3年間で半分の4億5千万円にまで引き下げたい」

 「2013年度までに収益構造を改革するべく、高騰する銅や銀の使用率を減らす省材料化や機種の統廃合などを進めている。11年9月中間では円高影響を受けながら、売上総利益率は前年同期と同じ水準に保った。体質強化の手応えはある」

 ―関西はじめ電力の供給不安が長期化する中、製造現場の省エネ市場に注力している。
 「電力計やモニターだけでなく生産時の電力を自動で最適制御できるシステムを提供する。社内実験ではクリーンルームで最大5割の節電を実現した。削減余地は大きく、顧客の相談も多い。節電需要は脱原発を決めたドイツや電力消費の多い中国でも必ず出てくる。限られた電力で生産性や品質を維持する技術があれば、日本の製造業全体の競争力も高める。オムロンとして貢献したい」

 ―企業間の提携や買収をどう活用するか。
 「昨年のヘルスケア事業のNTTドコモとの提携では、両社の強みを合わせて新しい価値を提供できると考えた。広く提携を進める一方、制御機器の強化や環境事業の確立に向けて買収の選択肢もある」

【2012年1月11日掲載】