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インデックス

日本電産 永守重信社長

新興国で車載用など生産
永守重信社長

 −タイの洪水被害で8工場が操業停止した。復旧状況はどうか。
 「7工場で昨年中に操業を再開し、2月には洪水前に完全に戻る。ハードディスク駆動装置(HDD)用モーター製造のバンガディ工場は代替生産をしているが、減産分は他工場に分散できることが分かった。生産能力が足りなかった家電用モーター工場に4月ごろから転用する」

 −HDD用モーターのタイの生産比率を4割強に下げ、2割分をフィリピン、中国に上乗せしている。
 「2012年度はその体制でやりたい。(リスク分散で)比率の見直しも大事だが、最終工程の見直しだけではいけない。タイはタイ、フィリピンはフィリピンで独立したサプライチェーン(部品の調達・供給網)を次の雨期までにつくる。タイ政府の雨期対策によっては独自で止水壁を造る。HDD用モーターの世界シェア8割という供給責任があり、うちの製品がなくてHDDが生産できないと言わせない」

 −新興国のインドとブラジルへの工場進出計画の進捗(しんちょく)はどうか。
 「インドは100万平方メートルの土地に工業園を造ってグループ15社ぐらいが出て行く。場所が決まれば着工は4、5月で、車載用や家電関係のモーター工場が順番に出て、13年末には6社ぐらいが進出する。総投資額は約700億円。ブラジルは企業買収を含めて考えている。買えばその会社に投資して工場を増強する。買えなかったら自力で工場を造る」

 −拡大分野の車載用モーターは15年度に売上高5千億円(10年度は家電・産業用との合計1372億円)を掲げている。
 「パワーステアリング、クラッチ、ブレーキなど向けが増えているが、5千億円にしようと思ったら企業買収をしなければならない。構成比率は自律成長と買収が半分ずつ。メキシコの既存工場の隣接地で新工場を造ることをほぼ決定した。13年に稼働を開始する。15年ぐらいまでに計3棟を建て、北米や南米向けにパワステなどを生産する」

【2012年1月12日掲載】