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村田製作所 村田恒夫社長

スマホ向け部品高度化
村田恒夫社長

 ―今年の電子部品市況をどう読むか。
 「一番心配なのは、欧州債務危機だ。欧州の需要減だけでなく、世界景気をけん引してきた新興国の落ち込みにもつながる。ただ、売上高の4割を占める通信機器向け部品の市場では、スマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット型パソコンが伸びている。業績の大きな落ち込みは想定していない」

 ―搭載部品が多いスマホ市場の急拡大は続くのか。
 「昨年は台数ベースで5割伸び、今年も40%程度増えるとみている。さらに高速通信規格のLTE対応モデルになれば、超小型コンデンサーなどの搭載点数は現在のスマホの1・2倍に増える。今後は異なる機能を組み合わせて小型化するなど、部品の高度化に対応していきたい」

 ―海外売上高が85%に上り、円高の影響を強く受けている。
 「現在、海外の生産比率15%を来年3月までに30%に拡大したい。今年3月には20%程度になる見込みだ。中国で積層セラミックコンデンサーや電源、通信モジュール、タイで機能性高分子コンデンサーの生産を拡大していく。調達面でも、中華圏からの購買を増やす方向で動いている」

 ―新規市場として注力する分野は。
 「自動車向け電子部品だ。ハイブリッド車や電気自動車で今後需要が増える。高電圧のセラミックコンデンサーなどを展開したい」

 ―中国・アジア向けの戦略は。
 「工場だけでなく、設計部門を中国に移転して現地ニーズに合った製品づくりに注力している。営業拠点も内陸部の成都や重慶に進出した。顧客企業も多く内陸へ移っており、それに合わせたサービスを提供するよう拠点数を増やしていく」

 ―昨年は企業、事業単位の買収を進めた。
 「『事業のにじみ出し』と呼び、近い市場で自社にない技術を取り込む考えだ。ルネサスエレクトロニクスのパワーアンプ事業は携帯電話向けのカバー領域を広げ、(車載センサー大手の)VTI社はMEMS(微小電気機械システム)技術を持つ。今後もチャンスがあれば考えたい」

【2012年1月14日掲載】