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島津製作所 中本晃社長

生命科学で高付加価値狙う
中本晃社長

 −本年度上期は分析計測分野は堅調だったが、産業用は半導体、液晶製造に使われるターボ分子ポンプが低迷した。
 「景気が良くなれば必ず盛り返す。サムスン電子やLG電子など、大きなユーザーのある韓国で製造し、すぐに供給できる体制をつくろうと、昨年11月に生産会社を設立して1月に稼働を始めた。海外では自国で生産されている製品を優先使用する傾向が強い。韓国でも当社を選んでもらえる権利を確保したい」

 −国立がん研究センターとがん、島根大と新生児先天性異常の早期診断などの共同研究を推進している。
 「先端的な大学や企業、研究機関とテーマを掲げての研究は高付加価値製品を生み出すきっかけになり、活用していけば事業の拡大につながる。ライフサイエンス(生命科学)分野は幅が広い。アプローチの仕方も遺伝から、タンパク質からとあり、全部まとめて研究しているところはない。個別テーマに基づいて共同でするのが大事。その成果が一定分野をカバーできるようになればブランドも出てくる」

 −成長市場の中国での事業展開をどう進めるのか。
 「中国政府は内陸部の開発に力を入れてきている。内陸部にはすでに営業拠点をつくっているが、もっと増やしていく。(分析機器の購入調査に関わる試料分析などを行う)アプリケーションセンターは上海、北京などにあるが、今年は内陸にもつくり、顧客との結び付きを強めていく」

 −欧州の債務危機などで景気低迷が続く欧米市場への対応はどうか。
 「基本線は、欧米などの先進国と中国、インドなどの新興国の両方で成長を図っていく。欧米の市場規模は大きく安定もしているし、新興国は常に先進国を見ている。先進国でブランドが確立できていないと新興国でも苦戦を強いられる。欧米を中心とした先進国でも力を入れたい」

【2012年1月18日掲載】