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インデックス

宝ホールディングス 大宮久社長

潜在的需要探り商品開発
大宮久社長

 −個人消費の動きをどうみているか。
 「現在は供給が需要を上回っている時代だ。市場が細分化、多様化し、昔のようにホームラン商品は期待できない。細分化した市場を一つずつ掘り起こすと同時に、『こういう客層がある。それに対してこんな商品がいい』と考えていくことが求められる」

 「昨年1〜11月の販売実績は前年同期比で清酒と焼酎乙類が2%増、チューハイは24%増、焼酎ハイボールは40%伸びた。業界平均を上回り、各カテゴリーでクリーンヒット商品が出そろってきた。売れている商品のまねでは価格競争になる。利益を上げるためには同質化競争より異質化競争の方がいい。今後も客が潜在的に望んでいる本筋の商品をつくっていきたい」

 −不安定な経済環境が続いている。
 「不況でも酒は飲まれる。どういう飲み方をされるかを考えるべき。近年、低アルコール化の傾向にあり、今年はアルコール度数5度の発泡性清酒『澪(みお)』を育てていきたい。灘の生産設備を増強する。円高やTPP(環太平洋連携協定)など多くの問題が一度に出てきて変化を読みにくい。いろいろな商品を持っていれば、どんな変化にも対応できる」

 −ビール大手などがノンアルコール飲料を相次いで出している。
 「今のところノンアルコール市場に参入する予定はない。以前にジュースを出し、やめた経緯もある。ただ絶対にやらないということではない。やると意思決定していないが、ノンアルコール系の研究は行っていく」

 −海外の状況は。
 「特に欧州では日本食需要が伸びている。安全でおいしく、健康な日本食はどんどん広がっていくだろう。合わせて清酒も販売量が増え、日本人への理解も深まると思う」

 −バイオ事業の方向性をどう考えるか。
 「世界で試薬を5千種以上販売しているが、研究にははやり廃りがある。ニーズに合う商品を提供するのは酒類と同じで、入れ替えを行っていく。試薬などの利益を基に遺伝子医療事業を成長させ、病気で苦しむ人たちの役に立っていきたい」

【2012年1月19日掲載】