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(3)手に職を

専門学校とも競争
真剣な表情で実習に取り組む看護学部の学生たち。大学も職業人養成を前面に打ち出している(京都市山科区・京都橘大)
 患者役の学生がベッドに横たわる。学生たちは笑顔で話しかけ、体をふいたり、体温や血圧を計る。教員は手順や動作を点検する。
 京都橘大(京都市山科区)が2005年に開設した看護学部の2年生が、初の病院での日常生活援助実習を前にした授業風景だ。幾田あゆみさん=大阪府交野市=は「中学の時から看護師になりたかった。新しい学部で新しいことが学べると期待して、この大学を選んだ」と話す。
 全国の大学関係者が「東の武蔵野大、西の京都橘大」に注目している。ともに女子大から共学化し、新学部を立ち上げて、受験生を倍増させたからだ。
 「看護学部を一から作れるのかと強い異論があった。しかし、看護師のニーズや他大学の状況を調べて、学生たちの進路をかなえられると判断した」と梅本裕副学長は振り返る。
 今春は、小学校や幼稚園教諭、保育士をめざす文学部児童教育学科、来春は救急救命士や一級建築士などをめざす「現代ビジネス学部(仮称)」の開設を計画しており、専門職業人の育成を明確に打ち出す。
 短大や専門学校が主に担ってきた専門職養成の分野に大学の参入が相次ぐ。「全入時代」は大学間だけでなく、大学と専門学校との競争も激化させている。
 京都中央看護専門学校(南区)は今春、現行の3年制から、看護師と保健師の受験資格が同時に得られる4年制に移行する。大学の看護学部の増加と、より高い専門教育を受けた看護師を育てるため決断した。
 「看護学部新設は、学問としての看護学を高めてくれるが、技術を身につけた看護師を育て、地域で働いてもらうのも大切」と、池西静江副校長は専門学校の意義を強調する。
 芸術分野でも、競争は激しい。立命館大(中京区)は今春、松竹などと連携して映像分野のプロデューサーを養成する「映像学部」を開設。京都嵯峨芸術大(右京区)も、映像やデジタルアート分野の人材を育成する「メディアデザイン学科」をスタートさせる。
 高校生に人気の職業をアピールする手法も多彩だ。池坊短期大(下京区)は「フラワー・ブライダル・マネジメントコース」の新設にあわせ、高校生向け情報誌「ICP」を創刊した。表紙に、花嫁にティアラをかぶせるコーディネーターや、祇園祭で浴衣を着こなす若い女性が並ぶ。広報担当の馬杉慎也課長補佐は「茶や花という教養教育は大切にしつつも、すてきな女性になれると、わかりやすく高校生に伝えたい」。
 減り続ける18歳にアピールしようと、それぞれが知恵を絞り、「次の一手」を模索している。
【2007年2月18日掲載】