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(4)生き残り

合併、連携 悩む選択
立命館大と関西医科大の包括協定にサインする川口清史・立命館総長ら。手をたずさえて難局に向かう(1月12日、京都市中京区のホテル)
 昨年11月、慶応大(東京)と共立薬科大(同)が合併協議に入ると発表し、大学関係者を驚かせた。西野武志・京都薬科大学長は「驚いた。共立薬科大は歴史もあり、経営面も悪くないはずなのに」。京薬大の合併は否定しつつも、「薬と医の大学合併は、今後も続くだろう」と話す。
 大学間の競争激化とともに、生命科学の進展と産業化の流れが、大学の合従連衡を、さまざまな組み合わせで加速させている。
 立命館大は来年4月、生命科学部と薬学部を新設する。年明けには関西医科大(大阪府守口市)と、共同研究や教員、学生の交流を進める協定を結んだ。「医薬工の連携が求められる今、工学やナノテク研究、産学連携で実績のある立命館大にとってチャンスだ。滋賀医科大、京都府立医科大とも連携を続けたい」と、川口清史総長は意気込む。
 一方、ラブコールを受ける府立医大(上京区)は京都薬大、立命館大、同志社大、京都産業大と学術交流協定を結ぶ「全方位外交」だ。山岸久一学長は「私大に吸収合併されるといわれたこともあるがあり得ない。課題ごとに連携し、外部資金をどんどん取りたい」と独自の戦略を明かす。
 京都大も連携に積極的だ。桂キャンパス(西京区)で市立芸術大、国際日本文化研究センターと「京都ネオ西山文化プロジェクト」を立ち上げ、ハイテクと芸術、伝統文化を融合した竹製品や電気自動車の開発などを年内に始める。
 京都では連携が中心だが、近隣府県では、総合大学による吸収合併も始まっている。関西学院大(兵庫県)は、教員養成で定評のある聖和大(同)と2009年4月に合併する。大阪大は大阪外国語大を今年10月に統合する。
 京都外国語大の堀川徹志学長は「外交が大切な時代に外国語大がなくなるのは残念。教育が弱肉強食でいいのか。うちはたとえ定員を減らしてでも合併しない。特色を失うからだ」と反発する。有力私大が教員養成に力を入れる中、京都教育大は、全国に先駆けて京都の六私立大と連合大学院構想を打ち出し、連携でも合併でもない道を探る。
 しかし、有力私大は「敵地」への拡大も図り、競争はさらに激しくなりそうだ。今年に入り、慶応大が大阪での拠点開設を、立命館大は東京キャンパス計画を打ち出した。戦国時代は確実に訪れている。
 「大学のまち」京都は、個性を競い合うことで、魅力を醸成してきた。建学の精神を大切にする気風に「合併は難しい」と大学トップは口をそろえる。しかし、18歳人口はさらに減少を続ける。生き残りをかけ、難しい選択を迫られている。
【2007年2月19日掲載】