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(3)本読んでる?

企画から関心高める
大谷大が7月に初めて行った選書ツアー。学生たちが大学図書館に置く本を買い集めた(京都市中京区・ジュンク堂書店京都BAL店)
 7月中旬、大谷大(京都市北区)の学生10人が中京区の大型書店に集まった。「かごで買うのは初めて」と話しながら本を探す。有名作家の文庫本や就職関連本など1時間半で約100冊、15万円分がレジの段ボール箱いっぱいになった。
 大谷大が初めて企画した「選書ツアー」。2人1組、予算3万円で大学図書館に置く本を選んでもらう。同様の取り組みは、佛教大(北区)も行っている。
 参加した文学部3年天山信楽さん(21)は読書好きだ。しかし、友人はゲームやネットばかりで、たまに読んでいるのも中高生向けの小説であることが多い。「分厚い本を読むのがしんどいみたいですね」と話す。
 「論文を書くために読解力は不可欠だが、本を読まず、読み方も知らない学生もいる。文学部だけの大学なのに学生の本離れは顕著だ」と大谷大教育研究支援部の滝川義弘事務部長は明かす。読書に関心を持たせようと2年前から、学生の選書委員会が決めた本を図書館の専用コーナーに置く試みを始めた。選書ツアーもその一環だ。
 「ロード・オブ・ザ・リング」「13歳のハローワーク」「地球の歩き方」。専用コーナーに約500冊が並ぶ。予約待ちが出るほどの人気で、表紙がボロボロになった本もある。滝川事務部長は「仲間が選んだ本なので関心も高い。読書の習慣がない学生にいきなり学術書や専門書は無理がある。まずは図書館に足を運んでほしい」と強調する。
 学生の1日の読書時間は1986年の平均48分から2004年以降は30分台前半に減少し、読書をしない学生は1986年の23%から90年代以降30%台に増加した。大学生協京都事業連合(左京区)の調査でも読書離れが浮かび上がる。
 京都文教大(宇治市)は今年、教職員の推薦で学生に読んでほしい「京都文教大学の100冊」を決めた。専門科目に関係がある臨床心理学や文化人類学の入門書のほか、高校生の必読書とされる「ライ麦畑でつかまえて」なども並ぶ。7月から、ホームページやポスターで読書を呼び掛け、学生から募集した書評のコンテストなども行う予定だ。石田晋治教務課長は「知識の蓄積も表現力も低下している。大学からでも読書を始めてほしい」と期待する。
【2007年9月5日掲載】