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模索する女子校 競争と理念の間で

第3部 生き残りかける私学
関西大に「内定」した生徒らの説明会。特進クラスの8人が選ばれ12月の合格を目指す(京都市右京区・京都光華高)
 京都光華高(京都市右京区)で9月18日、京都府内で初の「高大接続パイロット校協定」を結んだ関西大(大阪府吹田市)に内定した生徒と保護者向けの説明会があった。
 出席した生徒は特進のプリムラコースで学ぶ8人。12月の正式な合格決定までには、大学が決めた英語などの課題が待っている。四條文子校長は「あなたたちの成果次第で、後輩が喜ぶか泣きを見ます。初心忘るべからずの思いで勉強しなさい」と激励した。
 関西大への思い入れは強い。四條校長が進路指導主任だった1993年度、関西の有名私大などの現役合格を目指したプリムラコースの前身を設立。その一期生が初めて四條校長にもたらした朗報が関西大合格だった。以来、着実に連携を深め、協定につなげた。
 今春卒業した生徒の合格実績で、関西大は国公立大の計9人を上回る10人。内部進学の京都光華女子大を除くと、龍谷大の14人に次ぐ数字だ。「女子校の個性と進学実績を両立させるには、関西大というブランドは魅力」と四條校長。「さらに内定人数の枠を増やして、将来は中学連携も視野に入れたい」
 ここ数年で、京都府内の私立女子校のうち11校が共学化し、女子校は10校まで減った。受験生は女子校を敬遠し、公立の進学校や私立の共学校を目指す傾向が続く。
 2007年度の入学者数(5月1日現在)をみると、前年度に比べ、入学者(内部進学者を含む)が増えているのは半数の5校。少なくなった女子校受験者を、さらに女子校同士で争奪する競争にもさらされている。
 一方で、進学実績競争とは別の道を探る学校もある。
 華頂女子中・高(東山区)は本年度から、難関大への進学を目指すコースなどを廃止し、教育や福祉など生徒の特性や将来の視点を意識した3つのコース制に変えた。その一つ、クリエイティブコースでは、選択科目のほとんどをバレエやコンピューターグラフィックスなどの実技にあてている。
 本年度の新入生は前年度比で68人減の142人だが、水野正美教頭は「入学生が出身中学の後輩に伝え、口コミで(本校の特徴を)広げてほしい」と望みをつなぐ。  府私立中学高校連合会会長で京都女子中・高の緒方正倫校長は「今、問われているのは人としての生き方や心の問題。女子校の多くは宗教系が多いにもかかわらず、進学実績にとらわれすぎている。今こそ、それぞれの建学の精神に立ち返るべきだ」と強調する。
 競争と理念のはざまで多くの女子校が模索を続けている。
<高大連携> 関西の有力私立大で、系列関係のない高校に付属校並みの進学枠を設ける連携が活発化している。京都では京都光華高ほか、平安女学院中・高(上京区)が来春から定員の半数にあたる60人の「立命館大進学コース」を設ける。