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助成見直しの波紋 公との分担議論へ

第3部 生き残りかける私学
高校教育の充実を目的に初めて開かれた府公私立高校協議会の幹事会(京都市上京区・ルビノ京都堀川)
 今年1月、京都府は府私立中学高校経営者協会との研修会で、高校の私学助成金の交付基準を見直すことを打ち出した。助成の根幹となる学校運営の経常費補助について、生徒を大勢集めた学校ほど手厚く支給する基準に変えるというのだ。
 「寝耳に水」の内容に、参加した60人近い私学経営者や校長らは強く反発した。ある校長は「不登校など手のかかる生徒を抱えている学校ほど教員は多い。府の教育行政は『私学いじめ』としか言いようがない」と怒りを込めた。
 府の説明では、これまでのように教職員数の比率に重点を置いた配分だと、教職員が少ないほど補助金の額が低くなるなど、人件費削減などの経営努力を評価する仕組みになっていなかった、という。
 今回の交付基準の見直しは、地方に税源を移譲する政府の「骨太の方針」を反映したものだ。府文教課は「経営改善の近道はまず生徒に来てもらうこと。汗をかく学校に見合った支援をしたい」という。生徒の集まらない学校は経営努力が足りないとみなし、新たな分配基準で助成金を削減する。2006年度分から段階的に5カ年実施して経営改革を迫り、私学の再編まで視野に入れる。
 私学を取り巻く経営環境の厳しさは、助成問題にとどまらない。府は2020年度の私立高在籍生徒数を、本年度より約2300人減の約27000人まで落ち込むと推計する。実に、私立高約4校分の生徒が減る計算になる。
 こうした中で、公立高は洛北高などが付属中学を開校して中高一貫教育を推進。堀川高などが府内全域から生徒を募って難関大への進学実績を上げている。府私立中学高校連合会の緒方正倫会長(京都女子中・高校長)には「公立の私学化が進んでいる」と映る。
 一方で、授業料の負担額などで私学は公立よりも圧倒的に不利だ。07年度で私立高が年間約63万円(入学金などを除く)かかるのに対し、公立高は11万5000円。公立高は私立高の5分の1以下だ。
 府は、学費軽減策として生活困窮など一部保護者に補助を出しているが、「公私が同じ条件で競い合っているとはいえない。保護者が経済的負担を強いられ、生徒が公立に流れる傾向はある」と緒方会長。その上で、「府全体の教育力を充実させるため、公と私の役割分担を明確にすることが必要だ」と訴える。
 今年6月に発足した府公私立高校協議会が、12日に初の幹事会を開いて実質的な意見交換を始めた。校長らが公私立の枠を超え、ようやく同じテーブルについた。京都の高校生によりよい教育環境をどう整えるのか。議論の実りが待たれる。
=本シリーズは今回で終わります。
<私学助成> 私学振興補助金といい、私立学校の経営健全化と保護者の負担軽減のため、私立学校振興助成法に基づいて行われる財政的支援。京都府は本年度当初予算で194億5800万円を計上。高校に100億4900万円を充てている。