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(2)勤務シフト工夫 夫と分担

家族と職場のサポートに感謝
■保育園の送り迎え/家事にもゆとり
 「夫と両親、職場の協力があったからこそ、何とかやってこられた」。京都市伏見区のメーカーの工場で、技術職として働く澤井優子さん(29)は職場復帰後の日々をそう振り返る。
 同じ会社の別職場に勤める夫(33)と長男(6)、二男(5)の四人暮らし。長男の育休中に二男が生まれた。職場復帰すると同時に、夫とは違う勤務シフトに変更してもらえた。昼夜二交代制の職場で、早番は午前六時から午後二時まで、遅番は午後二時から午後十時までとなっている。
 夫婦の勤務時間がずれるので、保育園へは遅番の方が子どもを送り届け、早番が迎えに行く。それぞれの勤務シフトに応じて家事が分担できるのもありがたい。
 もともと家事を手早く片づけるタイプだが、時間短縮にはいくつかのコツがある。掃除や洗い物、洗濯はこまめに。たまってからだと大仕事になり、精神的にも負担になる。また、買い物は保育園近くのスーパーで。子どもを送った帰りに済ませれば、わざわざ出かける手間が省ける。
 無駄なく効率的に家事を済ませれば、昼間に一−二時間の「安らぎ時間」ができる。本を読んだり音楽を聴いたりして一人の時間を楽しむ。活発に動き回る男児二人を抱えての暮らしは慌ただしく、こうして好きなことを自分のペースでできる時間は、精神的なバランスをとる上で重要だ。
 夫が家事・育児に協力的なことや、親の支援にも助けられた。実家、夫の両親宅ともに車で一時間の距離。子どもが急病で保育園に行けない日には、遅番の方が病院に連れて行った後、どちらかの実家に預けに行く。早番の方が終業後に迎えに行くまで、親が面倒をみてくれる。
 「こうしたサポート体制がなければ、女性は子どもを持ったとたん、働きにくくなる」。自分は環境に恵まれていると感謝する一方で、実は何度も仕事を辞めることを考えた。
 ぎりぎりの人数の職場。妊娠中「手助けが必要だったら言ってね」と、職場の仲間は親切にしてくれたが、いざ仕事が始まると自分のことで手いっぱい。とても作業の軽減を求められる状態ではなく、臨月直前まで重い荷物を運ぶ作業や立ち仕事が続いた。
 切迫流産の危機に見舞われたこともある。「辞めよう」。本気で思ったが、自宅のローンや子どもたちの教育資金を考えると辞めるわけにはいかなかった。
 会社は勤務シフトを変更し、仕事を続けやすいよう配慮してくれたが、予定外のことが頻発するのが子育てだ。職場復帰後、子どもが何度も肺炎を発症。そばについて看病してやりたくても、休めなかった。一人欠けただけで手が回らなくなる職場の実情がある。「同僚に迷惑をかけ、人間関係が悪化すると働きにくくなる。子どもに緊急事態が起きても、休みの申請を自粛している人は多いのでは」
 いま思えば、妊娠を会社に報告した際、産前産後に認められている休暇制度について詳しい説明がなかった。勤務時間内に産前の健康診査を受けられることや、子どもが病気の時に看護休暇がもらえることも知らなかった。
 「母体保護や育児支援のための制度があっても、積極的に使ってほしくないのが企業の本音なのかも。自分の勉強不足は反省するが、企業にももう少し、情報開示に積極的になってほしい。安心して制度を活用できる機運づくりが必要だと思う」と語った。
【2007年11月23日掲載】