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京にマナー根付くか

路上喫煙防止条例の過料徴収 先進地大阪・1ヵ月で527人
たばこが吸えなくなった御堂筋の路上を避け、喫煙所でくつろぐ市民たち(大阪市・高島屋大阪店前)
 大阪市が路上喫煙防止条例に基づき、御堂筋で十月から始めた違反金の徴収が最初の一カ月で五百二十七人に上った。京都市でも六月に施行された同様の条例に基づいて十一月から中心部で指導員の巡回が始まり、来春にも過料徴収が実施される。一般市民に過料を求めて町の美化や安全を促す条例の課題を先行実施している大阪市などの事例から探った。

来春向け 外国人観光客対策も

 違反金徴収開始から一カ月たった十一月上旬、禁止区域となる梅田から難波まで御堂筋約四キロを歩いた。歩道で所々に見かける喫煙禁止の看板。歩いた道路の片側だけだが、落ちていた吸い殻は七本。路上喫煙者は最後まで見かけなかった。
 「ポイ捨ても減少し、スタートとしてはまずまず」と評価するのは大阪市環境局の担当者。大阪市では、府警OB十二人を指導員に採用し、毎日夕刻すぎまで巡回。違反者からは千円の過料を徴収する。
 初日の過料処分は六十五件と多かったが、マスコミが大きく取り上げたこともあり、翌日から十件前後に減少。七月から巡回に取り組んでいる指導員の桂一雄さん(61)は「市がPR活動で事前告知を徹底したため、大きな声で反論する人もいたが、意外とトラブルは少なく、素直に過料を払う人が多かった」という。
 単なる注意にとどまらない過料の効果は絶大だ。二〇〇六年七月から繁華街で過料徴収を始めた名古屋市では、路上調査で市民の喫煙率が実施前の4・7%から0・1%に減少、禁止区域の吸い殻の合計数は一日平均五百五十三本から百四十本に減少した。
 ただ、大阪市では指導を無視した逃走者が一カ月で三十四人もいたことにも注目。強硬策には当然のように反発もあり、市立公園近くの喫煙所でたばこを吸っていた無職の男性(63)は「愛煙家の権利がないがしろ。やるなら喫煙所をもっと設けるべき」と批判。御堂筋脇の小道で喫煙していた会社員の男性(27)は「御堂筋だけは我慢する。禁止地区で吸わなければいいだけ」とクールな声も聞かれる。

周辺地域への事前啓発が鍵

 大阪市以外の人への条例の周知徹底も課題となる。大阪市では違反者のうち、市外の人が約六割だった。名古屋市でも市外が七割程度といい、「市外の愛煙家にどう周知させるかが課題。看板などでPRしているが、浸透は難しい」(名古屋市環境局)。大阪市では外国人用に五カ国語で条例の内容を記した説明シートも用意している。絶対的に海外観光客の比率が高い京都では「指導員の外国語能力など対策も必要」(大阪市の指導員)という。 大阪市路上喫煙対策委員会では今後、他に啓発地区を設け、周辺でも路上喫煙の減少を呼び掛ける。委員長の鬼追明夫弁護士は「条例は、過料徴収が狙いでなく、市民モラルの向上が目的でそれなりのPR効果はあった。京都市でもいかに事前の周知期間に条例を徹底できるかが重要になる」とアドバイスする。
 京都市では今後、審議会で過料の額など詳細が決定する。他の自治体の例を見極めながら過料の必要性の是非など、目的を明確にした検討が求められる。

【2007年11月10日掲載】