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京都市の路上喫煙過料 2年

未納「逃げ得」どう対処
京都市の中心部の路上喫煙禁止を訴える看板。過料を支払わない違反者への対策が課題となっている(京都市中京区河原町通御池)
 歩きたばこに罰則を科す京都市の路上喫煙等禁止条例で、市が罰則の過料1千円を支払わない悪質な違反者に苦慮している。施行から約2年で未納者は38人おり、法律上は財産の差し押さえなど強制徴収もできるが、市は費用面から消極的で、効果的な徴収策が見いだせていない。市民団体から「違反者が野放しになる」と懸念の声も上がっている。

強制徴収は費用大 加算金規定なし

路上喫煙で罰則のある主な政令市の滞納状況
 市は2008年6月から河原町通や四条通、三条通など中心市街地の10通7・1キロの禁止区域で過料徴収を始めた。昨年度まで871人の違反を確認し、833人は支払った。現場で支払いを求め、持ち合わせがなければ自宅に納付書を送付するが、納付書を送った71人のうち、半分以上の38人が支払っていない。1年10カ月も未納の違反者もいる。
 過料は刑法の「罰金」とは違い自治体に徴収権限のある行政罰だが、税滞納と同じく給料や財産の差し押さえなど強制徴収が可能で、条例に明記すればペナルティーの加算金も取ることができる。
 市は未納者に催促状を繰り返し送付しているが、強制徴収は「税金と違い、条例はマナー向上が目的。差し押さえには1千円以上の費用もかかる」と見送っている。市条例には加算金規定はなく、時効の5年が過ぎれば過料は帳消しになる。
 他都市でも強制徴収に踏み切った例はなく、3千人近い未納者のいる横浜市は「身分証明書の提示を求めるが任意であり、虚偽の住所を申告されれば、それっきり」と漏らす。
 工夫を凝らす自治体もある。04年1月から罰則適用を始めた広島市は06年度から原則、納付書を辞め、現場徴収を徹底した。「持ち合わせがない」という違反者を金融機関に連れて行く強行策に打って出ている。同年度以降の未納者はゼロで、担当者は「取り締まると決めた以上、徹底しないと不公平感が出る」と話す。
 大阪市は連絡先の虚偽申告を防ぐため、違反者から携帯電話の番号を聞いて現場で実際にかけて確認、未納率は2%と効果を上げている。札幌市は未納者の氏名公表を行う。
 現在、京都市の未納率は4・4%で他都市より低いが、受動喫煙被害者の会京都支部幹事の広瀬晴美さん(66)は「徴収努力もせず、加算金もない状態が続けば、違反しても構わないという考えが広がる。それが一番怖い」と心配する。
 京都市は7月から現行の禁止区域を2倍に広げる方針を決め、観光地に網を広げることも検討している。ただ「逃げ得」の現状を解消しなければ、過料を支払った違反者にも理解は得られない。

【2010年5月5日掲載】