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安心確保で観光客増を

京都市が路上禁煙区域拡大へ
 京都市は18日、路上喫煙禁止区域を清水寺と京都駅の周辺まで拡大する方針を明らかにした。国内外から多数訪れる観光地での規制は周知が難しく、慎重論もあったが、「国際観光都市」としてのイメージアップや観光客の安全確保に強い姿勢を示そうと規制に乗り出すことにした。

早期指定目指す

京都市の路上喫煙違反者の居住地
 市は2007年6月から路上喫煙禁止条例を施行し、四条河原町など中心市街地(計16・5キロ)に絞って過料千円の徴収を開始。「観光客の安心、安全な生活を確保」を条例に明記し、当初から観光地での規制を念頭に置いていたが、「喫煙者の観光客が減少する」と懸念の声や、観光客への過料の周知が難しいことなどから、なかなか踏み出せなかった。
 しかし、08年6月の過料徴収開始から2年半が経過し、禁止区域の路上喫煙は規制前の16%に減少するなど効果があり、「路上喫煙を禁止すれば安心して来てもらえ、観光客増につながる」と判断。門川大作市長の公約にも「観光地への規制拡大」を掲げていたことから、産寧坂、五条坂など清水寺周辺(約5・6キロ)、京都駅周辺(5・3キロ)を追加指定する案を18日の路上喫煙等対策審議会に提案した。
 審議会では異論は出ず、早ければ今春の次回会合で承認される見通しで、市は周知期間をおいて早期指定を目指す。清水寺周辺の店舗でつくる「清水寺門前会」の田中博武会長(65)も「路上喫煙禁止を訴えているが吸う人はなくならない。『子どもに優しい京都観光』のためにも規制は必要だ」と歓迎する。

外国人違反者ら 対応には課題も

 ただ課題も多い。年間5千万人近い観光客が訪れ、外国人宿泊客は約80万人に上る。若者に人気の秋葉原地域を規制する東京都千代田区では違反者の大半が区外在住者で、外国人観光客への徴収に苦労している。この日の審議会でも「事情を知らない外国人から突然徴収したら、イメージが悪くなる」との声も出た。
 また、追加指定で禁止区域は延べ27キロになるが、過料徴収の指導員は6人。大阪市の13人(規制区域4キロ)、神戸市の10人(同5キロ)に比べ少ない。実効性を確保するには増員が不可欠だが、財政難から大幅増員の見通しはたっていない。
 市は現在、路上喫煙禁止を周知する英中韓の3カ国語の案内看板にスペイン、フランス語なども加えることを検討し、周知もJRや観光業界、他都市と連携してPRに努める方針で、指導員も3人増を計画している。
 市文化市民局は「全国でも有名な観光地を指定すればPR効果が高い。態勢を整え、世界の観光都市としてふさわしい規制を行いたい」としているが、軌道に乗せるには時間がかかりそうだ。

【2011年1月19日掲載】