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原因?被害者?観光バス |
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狭い道、じりじり 運転手も「嫌」 |
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| 五条坂で観光バスがすれ違う。対向バスの車体が目前に迫る(京都市東山区) |
紅葉シーズン。東山地区や嵐山など観光地周辺では深刻な交通渋滞が繰り返され、市民生活にも大きな影響を及ぼす。マイカー流入規制、通行規制、公共交通機関への誘導など、さまざまな対策が試みられてきたが、決め手はまだない。住民や観光業者などの合意も進んでいない。十八日から両地域で京都市の交通対策が本格的に始まるのを前に、観光渋滞の現状と人々の葛藤を追った。
木々が色づき始めた十一月中旬の日曜日。清水寺、嵐山と、京の観光名所を一日で回る定期観光バスに乗った。午前十時、JR京都駅前を出発。「京都観光の王道」ともいえるルートだが、乗客は少なく、やや寂しい。五条通は込んでいない。しかし、バスガイドさんは「京都は道が大変込み合うことがございます。新幹線でお帰りのお客さまは、お早めにお申し付けくださいませ」とアナウンス。
五条坂に入る。バスが対向の観光バスとすれ違うと、フロントガラス直前まで車体が迫る。電柱の手前では一時停止。電柱を避ける車体が、対向車にぐっと近づく。駅から約二十分、清水寺近くの市営駐車場に到着。「早く着きましたね。みなさんラッキーです」。バスガイドさんがほほ笑んだ。
■窓開けられず
五条坂は歩道が南側にしかなく、二人がすれ違うと肩が触れるほど狭い。観光客は車道にはみ出し、渋滞するバスの間をすり抜ける。危ない。「いつ来ても、京都は嫌」。遠方からの観光バス運転手は口をそろえる。
坂沿いに住む主婦籾井清子さん(八六)は、外出する際、車の排気ガスを吸わないようハンカチを口にあてる。連なるバスで家屋は揺れ、坂に面した窓は閉め切らねばならない。「バスの通行はやめてほしい」と話す。
もう一つのネックは電柱だ。東大路通五条から市営清水坂駐車場までに片側十本。平日でも、四百メートルほどの五条坂を上るだけで四回、一時停止し、三十分かかることもある。
「無理に進んでも離合できない。一方で対向車を待つ間には、後ろに車が数珠つなぎになる」と東京から来た観光バス運転手(三四)。「電柱を見てごらん」と言われて目を凝らした。バスや乗用車がつけたらしい塗料やへこみが無数にあった。
紅葉の名所・嵐山へと三条通を進む。桂川沿いに、マイカーと観光バスの渋滞の列。最後尾は見えない。バスは、前の車にぶつかるのではと思うほど車間距離を詰め、じりじりと前進する。
■右折を減らす
「想定以上に渋滞すると話題をつなぐのに苦労します。これから行く観光地のネタを先にしゃべるわけにもいかないし…」と、大阪発着の観光バスのガイド熊野育恵さん(三〇)。京言葉や舞妓さん、食文化。いつでも使える話題を用意しているが、大渋滞だと話は別だ。
観光バス運転手は、さまざまな渋滞対策の工夫をこらす。
市内運行時に右折回数を減らすルートを選ぶ「左巻き」もその一つ。ただ観光目的のため、時間効率だけを追い求めるわけにはいかない。Uターンや切り返しの場も重要だ。大きな駐車場がある土産品店と提携するケースや、Uターン可能な場所をルートに組み込むこともある。
定期観光バスは専用駐車場に入るが、その脇に駐車場待ちの観光バスの長い列ができていた。乗用車が追い越していくが、バスの列はなかなか動かない。乗客ゼロのバスもある。
駐車場そばの八百人以上収容のレストランに入ると団体客が一斉に昼食を食べている。
■手前で降車
「レストラン嵐山」は、秋は観光バス駐車を予約制にした。しかし渋滞で、後刻の予定だった観光バスが先に到着することもある。同レストランは「昼食のメニューが変わり、急いで並べた料理を替えないと。パニック状態ですよ」。
客なしで駐車場の順番を待っていたバス運転手は「お客さんは先に降り、渡月橋へ歩いてます」。乗客は嵐山を散策、昼食を味わう。食べ終わったころに、バスはやっと駐車場に到着、直ちに客を乗せ、次の目的地に向かうという。「運転手だってトイレに行きたいし、ご飯も食べたいよ」。目的地手前の渋滞対策で客を先に降ろす手はよく使われるが、運転手の声は悲痛だ。
さらに、金閣寺、平安神宮を見物。午後四時半過ぎ、ほぼ予定通りの時刻に京都駅に戻った。
バスは、乗用車より大勢を乗せることができるが狭い京の道をふさぐ原因にもなる。駆け足の一日観光を終えたが、渋滞解消の糸口は見えない。
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■駐車場無料で乗り換え呼びかけ
【京都市の秋の観光交通対策】京都市は観光シーズンの渋滞問題に対して、地元住民や京都府警など関係機関とともに、東山地域で2年前から、嵐山で5年前から、秋に交通社会実験を開始。住民や観光客が安全に歩ける街づくりを目指している。
東山では昨年秋のピーク期、五条坂でマイカー通行禁止にした。渋滞緩和効果はあったが、地元に反対の声もあるとして、今年は18日から市営駐車場の観光バス専用化で対応する。嵐山地区では、渡月橋の一方通行などの規制を行う。また市内への車の流入抑制のため観光地に直結する鉄道駅周辺などに駐車場を提供する「パークアンドライド」を今年は駐車代無料で実施し、観光客に乗り換えを呼びかけている。 |
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