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牛若・弁慶像

軽快、表情りりしく
りりしい表情の牛若・弁慶像(京都市下京区)
 五条大橋のたもと、多くの車が行き交う国道1号の中央分離帯。噴水と時計塔に挟まれた公園に、牛若丸と弁慶がいる。三等身でユーモラスだが、よく見ると、りりしい表情をしている。
 時は鎌倉。太刀千本を奪い取ろうと考えた弁慶は夜な夜な京の街を徘徊(はいかい)。九百九十九本を手に入れ、念願の千本目を、と五条の大橋に。そこへ通りかかったのは女性用の衣をかぶった牛若丸。かくして一騎打ち。欄干を飛び渡り身のこなしも軽い牛若丸に翻弄され、破れた弁慶は牛若丸の家来となる。
 「牛若・弁慶像」は、この有名な話を元にして、一九六一年、京都青年会議所が、京人形師「面庄」の十三世岡本庄三さんに製作を頼み、京都市に寄贈した。
 前年に浅沼稲次郎社会党委員長が刺殺され、「刃物追放運動」が展開されていたさなかで、最初は市に拒まれたというエピソードも残されている。
 五条の大橋、実は現在の松原付近にあったとされる。像を前に往事を述懐したいところだが。くつろぐには五条通の交通量は多すぎた。