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出雲の阿国像

顔見世 視線の先に
顔見世でにぎわう南座のはす向かいに立つ出雲の阿国(京都市東山区四条大橋東詰)
 四条大橋の北東のたもと、出雲の阿国がさっそうと立つ。一六〇三(慶長八)年、京の都で阿国は舞い踊った。だて男のような装いで、「かぶきをどり」を披露した。これが今へと続く歌舞伎の始まりとされる。
 当時は関ケ原の合戦が終わったばかり。戦乱ですさんだ人々の心に阿国の踊りはしみいった。男装というスタイルが斬新だった。像の阿国は右手に扇子を持ち、左手で刀を肩にかつぐ。腰にはひょうたんをつけてポーズを決めている。
 その後、阿国をまねて踊る女性が出てきて、女歌舞伎が流行したが、一六二九年に禁止された。男優が女性役も演じる今のスタイルになった。
 阿国の視線の先にある南座では今、当代きっての人気役者・十八代目中村勘三郎さんの襲名披露興行が開かれている。連日の大入り満員。四百年の時を超え、日本の伝統芸能をけん引する歌舞伎の姿に、阿国も喜んでいることだろう。
 横浜市の男性(五八)は歌舞伎の大ファン。初めて南座を訪れた記念に阿国をカメラに収めた。「躍動的で色っぽいですね」