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ハマナカの若き母親の像

着物姿に懐かしさ
丸太町通に面して立つ若き母親の像(京都市右京区花園藪ノ下町)
 市バス「西ノ京馬代町」の停留所近く、手芸材料製造販売「ハマナカ」本社の玄関西側に立つ高さ一・九五メートルのブロンズ像。先代社長で創業者でもある濱中利基男氏が彫刻の愛好家で、一九八四年、女性にかかわりのある企業として社員の審美眼を養うことなどを目的に購入、設置した。
 作者は、長崎市の平和祈念像を手がけた彫刻家の故北村西望氏。北村氏の著書にある「フリルのついた前掛けを風にはためかせ、眠る子をあやして、ふと振り返るやさしい母親…」の一節が、制作モチーフになったという。
 対をなすように、玄関東側には、同じく北村氏の作で天女の舞姿を表した「花吹雪」が置かれている。制作時期は、若き母親の像より二年早い。どちらも社内には飾らず、市民と芸術のすばらしさを分かち合うため、ずっと外に並べている。
 我が子をおんぶする母親は着物姿。どこか懐かしさを感じさせる。バス待ちの人が足を止めることも珍しくない。ハマナカの山本修総務部長は「今の風潮にはない、癒やしのような部分があるのでしょう」と語る。