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童子石

朝鮮半島の石人
穏やかな表情でたたずみ、近所の住民に親しまれている「童子石」(京都市上京区)
 お団子に結った髪、袖の長い着物姿。手を胸の前に合わせた唐子の石像が、京都市上京区千本通五辻上ルの銘木業者の店先にひっそりとたたずむ。所有者の井ノ上格之社長(六五)は「祖父の代から置いてあるが、由来は知らない。北東角だから鬼門よけでしょうか」と首をひねる。
 「朝鮮半島の石人の一つでしょう」と、高麗美術館(北区)の片山真理子研究員が教えてくれた。石人とは、王や貴族ら身分の高い人の墓を守る人型の石像を指す。よろい姿で剣を手にした「武人石」、笏(しゃく)を手にした「文人石」をはじめ、子どもの姿をした「童子石(どうじせき)」もあるという。
 童子石は、格之さんの亡き祖父格三郎さんが置いた。若いころ船乗りで、骨とう品が好きだった格三郎さん。何らかの縁で手にいれ、店先に置いたのだろう。なかにはお地蔵さんと勘違いして、手を合わせたり、さい銭を置いていく人もいるという。「大切にしてもらい、感謝しています」と格之さん。穏やかな表情は確かにお地蔵さんのようだが、御利益は期待できないかも。

【2007年5月8日掲載】