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一乗寺下り松

武蔵 決闘の地
宮本武蔵と吉岡一門の決闘を伝える石碑と四代目の下り松(京都市左京区一乗寺花ノ木町)
 京都市左京区の白川通から坂道を上がった閑静な住宅地。その一角に「一乗寺下り松」として有名な青々とした一本の松の木と「武蔵 吉岡 決闘之地」の石碑が立つ。
 関ケ原(一六〇〇年)の合戦から間もないころ、この一帯で剣豪宮本武蔵と兵法家の吉岡一門数十人との決闘が行われたとも伝えられる。吉川英治の小説では、決闘前、武蔵は山手側にある近くの八大神社に立ち寄ったが、「我れ神仏を尊(たっと)んで、神仏を頼まず」と言って、祈りもせずに決闘に向かったとされる。
 石碑は高さ二・四メートル、幅〇・七メートル。武蔵を尊敬する剣道家が一九三五(昭和十)年に建てた。現在の下り松は四代目で、決闘当時の松は枯れ、八大神社境内で保存されている。一帯は京都と比叡山の境に位置し、松は元々、街道の目印として植えられたようだ。
 今、NHK大河ドラマや人気漫画の影響で若者が多く訪れる。八大神社宮司の竹内紀雄さん(六六)は「武蔵のように自分一人で困難を乗り越える姿にあこがれを抱く若い人も多いのだろう」と話した。

【2007年6月5日掲載】