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すぐき発祥之地の石碑

思いの深さ刻む
すぐき菜の歴史を伝える石碑(京都市北区上賀茂土門町)
 独特の酸味が特徴のすぐき漬けに使われる京野菜、すぐき菜。特産地が京都市北区上賀茂であることは知られているが、発祥の地を示す石碑があることは、あまり知られていない。
 上賀茂地域の住宅街の一角。公園の奥まったところに、碑はひっそりとたたずむ。表には「京都特産すぐき発祥之地」の文字。一九七三(昭和四十八)年に、当時の上賀茂土地区画整理組合が建てた。高さは二メートルを超え、見上げるほど。地元の人たちのすぐき菜に対する思いの深さを表しているようだ。
 雑誌「賀茂文化研究」によると、すぐき菜は江戸初期から、名産として上賀茂神社の社家で作られてきた。公家や社寺への贈答品としても使われていたという。近代に入るにつれ、一般農家でも盛んに栽培されるようになった。一八九四(明治二十七)年に、大火で村が貧窮した時、すぐき漬けを売って急場をしのいだとされる。
 すぐき菜とともに歩んできた上賀茂の歴史を、石碑は静かに語っているようだ。

【2007年8月21日掲載】