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與杼神社の道しるべ

淀の歴史を集約
與杼神社の鳥居わきに並べられた淀かいわいの旧跡などの石碑(京都市伏見区)
 伏見区の京阪電車淀駅の京都方面行きの改札口の前、與杼(よど)神社の鳥居のすぐわきに高さ一・五メートルほどの石碑が四つ並んでいる。手前のものから碑文を読んでみた。「淀城之城址」。同神社は百年以上前、淀城だったこの地に移ってきたから納得できる。しかし、ほかの「淀小橋(よどこばし)旧趾」「唐人雁木(とうじんがんき)旧趾」は少し離れた場所のはずだ。
 「淀の歴史を集約し、駅を利用する近くの住民に見てほしかった」。移設した奥村博宮司(七四)は理由を明かす。淀小橋と唐人雁木の石碑は十七年前に新調されたのに伴って奥村宮司が引き取り、保管していたが、十年ほど前、淀城の石垣を利用した約三十平方メートルの花壇に展示することにした。
 この淀小橋の石碑は道しるべを兼ねていた。「中書島一里」「山科三里半」などと刻まれている。面白いのは「七条ステン所三里」。つまり今の京都駅までの距離だ。
 残りのもう一つの石碑は船頭が神社に寄進した「永代常夜燈」。三つの旧跡の石碑には、いずれも昭和三(一九二八)年、京都の織物商三宅安兵衛の遺志で建てられた旨の文言が記されている。

【2007年10月2日掲載】