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北消防署のブロンズ像「寒」

夏でも凍えそう
寒さに耐え、力をたくわえる様を表現したブロンズ像(京都市北区・北消防署)
 両の腕で体を抱き、背中を丸めて懸命に寒さに耐えているように見える。京都市北区の北消防署にあるブロンズ像で、その名も「寒」。明るさや健やかさを連想させる像が多い公共施設の銅像としては、毛色の変わった印象を受ける。
 作者は、東山区の四条大橋東詰めにある出雲の阿国像も制作した京都教育大名誉教授山崎正義さん(七七)=京都市北区=。山崎さんが男性裸像で季節を表現したシリーズの中の一点で、北消防署が創立二十周年を迎えた一九七五年に寄贈された。
 両腕を広げ、春の訪れを喜んでいるかのように見える春の像は上鴨署(北区)に、額に手をかざして空を仰ぎ見る夏の像は山崎さんの親戚が経営するスイミングスクール(同)に設置されている。秋の像は制作されなかったという。
 「冬の間に力をたくわえ、春に芽を出す樹木をイメージしました」と山崎さん。北消防署は「奉仕と犠牲の精神」とも分析する。盛夏の折、体中で冬を表現する男性像に、ひとときの涼を感じることができるかもしれない。