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京都植物園設立記念碑

開園の経緯 流麗に
木陰にひっそりと立つ「大典記念京都植物園設立記念碑」(京都市左京区・府立植物園)
 国内外の約一万二千種計約十二万本の植物を擁する京都府立植物園(左京区)。ところが、石碑となると、たった二カ所にしかない。そのうちの一基が、正門近くの「大典記念 京都植物園設立記念碑」だ。高さ約三・五メートルの石の表面には、びっしりと文字が刻まれている。
 一九二八(昭和三)年に、当時の府知事、大海原重義によって建立されたとされる。京都帝国大教授文学博士鈴木虎雄の文章で、開園までの経緯が記されている。
 碑文によると、一九一七(大正六)年四月に着工され、一九二三(同十二)年十一月に完成した。その建設に尽力したのが、第十代府知事の大森鍾一と三井家。大森知事が大正天皇の即位の礼を記念して、植物園の設立を計画し、三井家が五十五万円の寄付をしたことなどを流麗な漢文で紹介している。
 ところが、石碑自体の記録は植物園に乏しく、山本由定の書とされるが、その人となりは不明だという。それでも石碑は、木陰にひっそりたたずみ、園内の移ろいを見守っている。