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鳴滝の不動さん

謎多い2体の石仏
鳴滝の滝つぼの上に鎮座する不動さん(京都市右京区)
 右京区の福王子交差点から国道162号を西へ約四百メートル地点で、御室川の方へ石段を降り、水しぶきをあげる「鳴滝」にたどり着く。滝つぼの約五メートル上方に岩屋がある。その奥まった所に四十センチほどの石仏が鎮座する。
 二体のようだが、付近に足場がなく詳細を確認できない。望遠レンズでのぞいた。右側は左手に数珠、右手に剣を持った不動明王のようだ。左側は変色がひどく、彫りが浅くなっていて、どんな仏なのか分かりにくい。
 祖母の代から参拝を続ける篠辺絹代さん(三九)=太秦一ノ井町=によると、昔、ある僧侶がこの場所を気に入り、岩を掘って仏をまつるよう命じたという。しかし、いつごろ、誰がつくったのか不明という。
 岩屋の対岸には、近くの住民が二十年ほど前に建てたというコンクリート屋根の小さな拝所がある。視界を区切る前後の板がなく、しゃがむと、ちょうど石仏をのぞける仕組みにしてある。毎月「八」のつく日に花を献じる篠辺さんは「滝が嫌な気持ちを洗い流し、不動さんが願いをかなえてくれるんです」と語る。