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電気鉄道事業発祥地の碑

進む近代化を象徴
電気鉄道が国内で初めて開業した地であることを伝える石碑(京都市伏見区下油掛町)
 京都市伏見区、竹田街道と油掛通の交差点北東角に、高さ約一メートルの石碑が立つ。正面に「電気鉄道事業発祥の地」とある。側面には、一八九五(明治二十八)年二月一日、この地と下京区東洞院通塩小路の間で、電気鉄道の営業が国内で初めて始まった、とある。
 琵琶湖疏水を使った水力発電による電力供給開始の三年後、京都電気鉄道が開業した。付近は京都と大阪を結ぶ水運の港町として栄え、京都の南の玄関口に選ばれた。その後も、市電として長く市民に親しまれた。
 だが、モータリゼーションの波に押され、市電はなくなり、景色は様変わりした。町家の向こうにはマンションがそびえ、市電に代わって市バスや車が行き交う。
 石碑のそばにある和菓子の老舗「駿河屋本店」に、セピア色になった写真が飾られている。当時の店の横に、電車が止まっている光景だ。「明治の中ごろに撮られた一枚で、ガラスのネガがありましてね」と同店の岡本麻仁子さん(六二)。街灯も見られ、近代化が進む往事の面影を伝えている。