京都新聞TOP > 観光アーカイブ > 門前の名物
インデックス

酒まんじゅう

伏見
 伏見と言えば酒と水、そして最近は龍馬ブームで注目を集める。御香宮(ごこうぐう)から西に延びる大手筋商店街は今も伏見の台所として多くの人で賑わい、幕末と龍馬の足跡はあちこちに名所として残っている。

 酒処伏見には大手の月桂冠から小規模まで多くの酒造所が立ち並び、どこに行っても酒臭く。酒好きには桃源郷のようなところだ。

 伏見城の城下町、御香宮の門前町として栄えた伏見には酒まんじゅうが古来より名物菓子としてあった。と書きたいところだが、酒まんじゅうの“古手”と言われる富英堂(とみえいどう)さんで20年と意外な歴史しかないという。駿河屋さんに聞いて見ても「うちも15年ほど」という。

 そんなはずはなかろうと調べてみると、酒饅頭と伏見の縁は室町時代までさかのぼる。

 現在、和歌山に本店を構える駿河屋の発祥はここ伏見で、1461年室町時代に饅頭処を開いたとある。酒処としての伏見の歴史も室町時代からといわれ、ちょうど時期が重なる。現在の伏見発展の礎となる運河による水運が開かれたのは伏見城を築いた秀吉によってで、それによって伏見の酒造りは発展していった。

 江戸時代の1619年に徳川頼宣(家康の十男)が紀州藩主として和歌山城に入る時、出入りの駿河屋は御用菓子司として和歌山へ本店を移転。これ以降、和歌山の店を御用本店、伏見を総本店と呼び分ける。現在和歌山限定として作られている「本ノ字饅頭」は駿河屋伝によると「饅頭処から連綿と続く昔ながらの製法のまま、その味を伝えております」といい、何と饅頭の皮に酒麹が練り込まれ正真正銘の酒饅頭であるという。つまり駿河屋が550年前に伏見で創業したとき作られた饅頭は酒饅頭であった、かもしれないというもので。残念ながらその真偽は定かではない。何はともあれ、この「本ノ字饅頭」ぜひ京都・伏見でも販売して欲しいものだ。
 現在、伏見で酒饅頭は先の富英堂や駿河屋の他、鼓月など数店で販売されている。

お店情報

【総本家駿河屋 伏見本舗】
営業時間 am8:00−pm6:30 定休日 不定休
〒612-8083 京都市伏見区京町3-190
電話075-611-5141、FAX075-611-5142
URL http://www.souhonke-surugaya.co.jp/shop/kyoto.html

【富英堂】
〒612-8056 京都市伏見区中油掛町93
営業 am9−pm7 木曜休
電話075-601-1366