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[65系統]岩倉操車場前−四条烏丸

静けさ包む剣豪の道
花が少ない季節だからこそ、静寂を味わえる詩仙堂の庭園(京都市左京区)
 比叡山から冷たい風が吹き下ろす京都左京区岩倉。操車場前を出発し東へ向かうと、すぐに白川通に突き当たる。南下すると道沿いには、住宅街が広がり、畑やビニールハウスも点在する。
 洛北と市中心部を結ぶ数少ない路線の一つで、岩倉操車場前から烏丸丸太町を経由して四条烏丸へとつながる。この後、バスの表示は31系統に変わる。こうした系統の連結はこの両路線だけだ。
 始発から乗車して約十分、「一乗寺下り松町」のバス停で降り、山に向かって坂を歩く。剣豪宮本武蔵が吉岡一門と決闘したとされる「一乗下り松」があり、さらに東へ行くと修行したと伝わる八大神社へ着く。
 隣の詩仙堂に立ち寄った。五月下旬にはサツキが庭一面をピンクに染める。今はツバキや梅がおとなしげに咲く。「花が少ない季節だから訪れる人も少なく、くつろげますよ」と寺の担当者。
 再び同じバス停へ。一時間に一本しかないので、時刻の確認も必要だ。バスが町中へ向かうにつれ、車が増える。車窓の静寂はいつの間にか消えていた。

 【メモ】 主な経路は岩倉操車場前〜上高野〜上終町京都造形芸術大前〜田中大久保町〜熊野神社前〜烏丸丸太町〜四条烏丸。営業距離10.6キロ。所要時間45分、平日運行回数17.5回。1日の乗客数は706人(2003年度市交通局調べ)