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[M1系統]原谷−立命館大学前

小型車、坂道ゆっくり
山あいに発展した住宅地。かつては広大な開拓農地だった(京都市北区・原谷弁財天から)
 三十人弱しか座れない小型のバスがエンジン音をうならせて急こう配の坂道を上っていく。乗客は体を斜めにしながらつり革を持って、じっと我慢。上り終えると、盆地に立ち並ぶ家々が車窓の両側に映る。
 終点まで七つの停留所しかなく、二番目に短い路線だ。道路が狭いため、普通のバスよりも前後に一・五メートルほど短い。系統名の「M」はかつてマイクロバスを走らせていたことに由来する。
 立命館大前から乗った。花見に行くお年寄り、買い物帰りの住民らで満員になる。西大路通から標高二百メートル弱の原谷へ、ゆっくり上がる。一瞬、市街地の眺望が目に入り、車内から「おおっ」という声があがった。
 終点の原谷で下車し、近くの原谷弁財天まで歩いて地域を一望する。かつては開拓地として農地が広がっていたが、今は住宅で埋め尽くされている。五千人近い人が住んでいるが、公共交通は市バスだけだ。「買い物でいつも山を下りる。でも本数が少ないの」。スーパーの袋を両手に抱えた主婦(四六)はため息交じりに話した。

 【メモ】 主な経路は立命館大前〜わら天神前〜衣笠氷室町〜原谷口〜原谷。営業距離3.6キロ、所要時間15分、平日運行回数25回。1日の乗客数は約1千人(2002年度市交通局調べ)。北大路バスターミナルと原谷、立命館大前をつなぐ特M1系統もある。