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[8系統]四条烏丸−高雄

緑満ちる街道に心潤す
オフシーズンならではの静けさのなか、高雄橋を渡る女性たち(京都市右京区)
 始点の四条烏丸。乗り合わせた右京区のパート女性(六二)は、仕事を終え帰宅するところだった。「今晩も自宅近くの清滝川でホタルを見ながら夕涼みするんですよ。この時期は観光客が少なく、とても静か」と話した。
 バスは繁華街から四条通、千本通を経て、今出川通を西進、落ち着いた山里の高雄へと続く。
 途中、仁和寺の立派な二王門(重文)を横目でとらえた後、周山街道に入った。高雄病院前を過ぎるとにわかに緑が多くなり、長いカーブが始まった。車内では「手すりにおつかまりください」とアナウンスが流れる。
 終点の高雄で降りた。一九八一年までは、約十キロ先の北区役所小野郷出張所まで運行する48系統があったが、市営地下鉄烏丸線開通に伴う路線の再編成で廃止となった。
 神護寺へ続く参道を上ると、木々を抜ける涼風が心地よい。出会う人は少なく、始点で乗り合わせた女性の言葉を実感する。バス停近くの商店主は「何も見どころがない今の時期は、商売にならない」とあきらめ顔だが、紅葉シーズンとはひと味違う魅力を楽しめる。

 【メモ】 主な経路は四条烏丸〜四条大宮〜千本今出川〜北野白梅町〜御室仁和寺〜福王子〜広芝町〜高雄。営業距離は往路12.6キロ、復路13.1キロ。平日運行回数20本。1日の乗客数は1142人(2002年度市交通局調べ)