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[特18系統]壬生交通局前―久世橋東詰

平安京の南端なぞる
今では石碑だけがひっそりと立つ羅城門跡(京都市南区唐橋羅城門町)
 正午前、始点の壬生交通局前から乗ると、次の四条大宮から買い物袋を下げたお年寄りが乗り込んできた。お年寄りの和やかな世間話を聞きながら、バスは大宮通を南下していく。町の中心部から石原団地など南区の住宅地を結ぶ路線で、昼間は高齢者の利用が多い。
 東寺の五重塔を右手に眺めながら九条大宮で右折し、羅城門に停車した。今では石碑が立つだけとなっている羅城門跡は、平安京のころは都の中央を通る朱雀大路(現千本通)と九条通の交差点にあり、都の正面玄関だった。しかし晴天の昼下がりに、石碑を見ようと立ち止まる人はほとんどいない。
 再び乗車して、住宅街を通り抜け、終点となる久世橋東詰へ。バスはぐるりと周り、再び壬生交通局前を目指す。
 通勤で毎日利用するという男性(七二)は「便数や見どころが少なく観光客の姿はあまり見ない。でも、乗用車を運転できない地元のお年寄りが多く乗るので、ないと困る」と話す。平安京の南端をなぞって進む路線は、お年寄りの足でもある。

 【メモ】 主な経路は壬生交通局前〜四条大宮〜九条大宮〜羅城門〜千本十条〜石原団地前〜久世橋東詰。営業距離は往路8.1キロ、復路6.7キロ。平日運行回数は26回。1日の平均乗客数は約900人(2002年度市交通局調べ)