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[28系統]京都駅前−大覚寺

桂川の景色を二度楽しむ
大沢池には散歩をする人や家族連れの姿も目立つ(京都市右京区)
 昼過ぎの京都駅バスターミナル。乗車口で読み取り機に「京カード」を通して腰掛けた。四条通を西へ進み、嵐山から大覚寺へと至る系統。秋の紅葉シーズンが終わり、車内に観光目的の乗客は少なくなった。
 二度、桂川の美しい景色を楽しめる路線だ。正面に松尾大社の赤い大鳥居が構える松尾橋からは、愛宕山、小倉山を遠景に自然の豊かさを感じられる。その約十分後に出会う渡月橋からは、河川敷を歩く人や飛び回る白いカモメが山紫水明の風景を彩る。左手には昨年十二月に完成した小水力発電施設が見える。
 乗客は、天龍寺や野宮神社に近い停留所で次々と降りる。終点の大覚寺に着くころ、料金は二百四十円に上がり、客は一人だけに。京都駅から約五十分、ほぼダイヤ通り到着した。ただ、紅葉シーズンは嵐山近辺の渋滞がひどく、運転手は「片道で二時間以上かかるので疲れます」と話した。
 この時期、大覚寺は参拝客も少なく、京都駅とは正反対の静けさ。境内に吹く風を体で感じた後、写経を体験し心を静めた。

 【メモ】 主な経路は京都駅前〜七条堀川〜四条堀川〜西大路四条〜松尾橋〜阪急嵐山駅前〜嵐山天龍寺前〜大覚寺。営業距離は往路、復路とも12.4キロ。平日運行回数は43回。1日の乗客数は4020人。(2004年度市交通局調べ)