京都新聞TOP > 特集アーカイブ
過去の特集記事

[南8]横大路車庫前−竹田駅東口

穏やかに流れる疏水
とうとうと流れる疏水の水(京都市伏見区)
 通勤ラッシュが終わった午前、曇り空の竹田駅東口のロータリーから乗車した。立ち並ぶビルやマンションの合間から、ネギが生えそろった畑がのぞく。
 名神高速道路の高架に目をやると、透明な防音壁の向こうをトラックや乗用車が行き交う。手前の緑地帯では、木々がざわざわと風に揺れる。青少年科学センター前で乗り込んできた女性が「雨、もつかね」とつぶやいた。間もなく、窓に水滴がついたが、師団街道で渋滞に巻き込まれている間に乾いて消えていた。
 空模様を気にしながら、伏見インクライン前で下車した。このインクラインは、かつて疏水を行き交う船を、多いときで一日百隻も上げ下げしたという。
 豊富な水をたたえながら、穏やかに流れる疏水沿いを歩いた。買い物袋を下げ、のんびり歩く女性とすれ違えば、黄緑の帽子をかぶった子どもたちが声を上げながら駆け抜ける。散策中の主婦(六六)は「ここだけは、時間の流れが昔とあまり変わらない気がする」。水面を波立たせる風のさわやかさに秋の訪れを感じた。

 【メモ】 主な経路は横大路車庫前〜丹波橋〜直違橋1丁目〜竹田駅東口。竹田駅東口発は藤ノ森〜最上町で伏見インクライン前など別ルートを経由。営業距離は往路7キロ、復路7・1キロ。平日運行本数は18本。1日の乗客数は361人(2004年度市交通局調べ)