京都新聞TOP > 特集アーカイブ
過去の特集記事

[71系統]京都駅八条口アバンティ前−松尾橋

並ぶ旧家に漂う風情
歴史のある民家が残る長福寺道(京都市右京区)
 大きなスーツケースや旅行かばんをいくつも抱えた人が列をつくる。南の島へ向かうのか、薄着にサングラスの若者も。午前八時の京都駅八条口(京都市南区)のアバンティ前バスターミナルは、関西空港や伊丹空港へのバスが発着するため、旅人のうきうきとした気分がどこか漂う。だが一角の市バスのレーンは閑散としている。
 ほかに乗客一人だけを乗せてバスは出た。九条駅前までいったん南下する。東寺の角から大宮通を北へ向かうと、乗客は少しずつ増えてきた。
 終点の三つ前の「長福寺道」で降りた。古い民家の軒先に、懸崖(けんがい)作りに仕立てた菊の花。長福寺の瓦屋根が見える。交通量の多い四条通から、静かな長福寺道を歩くと、大きな旧家が目立つ。
 築百六十年を越す旧材木商宅など、かいわいは桂川から材木の荷揚げで発展した梅津の由緒ある風情が残る。だが市の都市計画道路の建設予定地に当たっており、景観を惜しむ声もあるという。通り名由来の長福寺は門が閉ざされていたが、隣の梅津小から、児童の元気な声が響いた。

 【メモ】 主な経路はアバンティ前〜東寺東門前〜四条大宮〜京都外大前〜松尾橋。営業距離は往路、復路とも9.7キロ。平日運行回数は48.5本。一日の乗客数は4131人(2004年度市交通局調べ)