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野鳥と自然美 堪能

バードウオッチングの魅力探る
左上から右へイカルチドリ、ホオジロ、オオルリ、下段左からメジロ、ノビタキ、カワセミ
写真はいずれも日本野鳥の会京都提供
 新緑が美しい季節。野山を散策しながら聞く小鳥のさえずりは、普段はせわしい心を和ませる。ゴールデンウイークが間近に迫った4月下旬、「日本野鳥の会京都」が京都市内の3カ所で開いた探鳥会(野鳥観察会)に参加し、バードウオッチングの醍醐味に触れました。

◆京都・滋賀の主な探鳥地
【京都市内】
・府立植物園(左京区)・鞍馬、貴船(左京区)・深泥池(北区)・洛西散策の森、桂坂野鳥遊園(西京区)・野鳥の森・探鳥路(東山区・ウェスティン都ホテル京都内)
【京都南部】
・太陽が丘野鳥の森(宇治市)・巨椋干拓田(宇治市)
【京都北部】
・京都府立丹波自然運動公園(京丹波町)・大江山(福知山市など)
【滋賀】
・比叡山(大津市)・新旭町水鳥観察センター(高島市)

◇大型連休前後の観察でお勧めの鳥 (森)オオルリ、キビタキ、ホトトギス、メジロ、ホウジロ(田畑・草原)ケリ、ノビタキ、キジ(水辺)セキレイ、シギ、カワセミ、イカルチドリなど。
 日本野鳥の会京都では、京都府内や滋賀県内などで毎月数回、探鳥会を催している。会員以外でも参加でき、一般200円。中学生以下無料。詳しくは同会のホームページで。

北嵯峨 ノビタキ全員夢中

野鳥を観察しながら散策を楽しむ探鳥会の参加者たち(21日、京都市右京区・大沢池)
 「(望遠鏡に)入ってる?」「あ、飛んだ」
 田園風景が広がる嵯峨野の小道。スコープ(望遠鏡)をのぞいて観察しながら、参加者が会話を交わす。
 京都市右京区の大覚寺大沢池から後宇多天皇陵、広沢池まで2時間半かけて散策した。探鳥会を企画した西村克之さん(65)=西京区=は「今は鳥が子育ての前に虫をたくさん食べる時期。繁殖期なので、さえずる声もきれいですよ」。
 ベテラン会員は時期によって、どの鳥がどの辺りの木にいるのか分かるという。鳴き声で位置を見極め、双眼鏡で探す。初心者は、鳥の名や姿を図鑑に照らして確認する。
 途中の畑では、今回お目当ての鳥、ノビタキも発見。京都ではこの時期しか見られないので、全員が夢中になって姿を追った。
 この日記者(仲屋)が見られた鳥は少なかったが、会として確認した鳥は36種類にも上った。参加は3回目の近藤省三さん(63)=山科区=は「最初はあまり興味なかったが、家に来る鳥を見ていて名前を知りたくなった。実際に自然の中で見ると感動的」と語った。

鴨川 分かりやすく解説

カモ類やカワセミなど川べりのを野鳥が多く見つかった探鳥会(24日、北区・上賀茂橋下流)
 午前9時すぎ、上賀茂神社(北区)を出発し、大田神社を経て、鴨川へ。上賀茂橋から河川敷に降りた途端、中州で羽を休める青緑色の鳥に参加者の目がくぎ付けになった。「空飛ぶ宝石」とも称されるカワセミだ。
 「下のくちばしが紅を塗ったように赤い。雌ですね」「雄が求愛するとき、捕えた魚を頭から雌に差し出す。尾からだと、のどに引っかかるでしょ」と同会の植田光弘さん(69)=城陽市=が解説してくれる。もたつく記者(道又)も、固定した望遠鏡を借りて見とれていたら、矢のように飛び去った。
 視線を移すと、「青首」と呼ばれるマガモの雄や、ナポレオンの帽子のような頭の模様が特徴のヨシガモの雄の姿も。「ほら、コガモが寝てる。人や他の鳥と違って、カモ類は下のまぶたが上に閉じるんです」。うんちくも初心者には楽しい。
 北山大橋に着き、確認できた鳥を報告し合う。ミサゴやコゲラ、イワツバメ、アオサギなど27種。同会の中村桂子さんによると、来月以降は「カモ類が減る代わりにシギ類などが五条大橋より下流で楽しめます」という。

京都御苑 冬鳥夏鳥39種確認

まちなかのオアシス京都御苑は自然がいっぱい。「みえる?」。図鑑片手に鳥を探せば、親子の会話も弾む(24日、上京区)
 午前7時、京都御苑(上京区)乾御門。耳を澄ますと四方から鳥の声がする。チチチ、ツィー、ジィー…まるで管弦楽だ。
 イチョウの若葉が朝日を受け、きらきらと光る。巨木のてっぺん付近でこずえが揺れた。「ヒレンジャク(緋連雀)?」。集まった面々の声が弾む。
 高倍率のスコープをのぞかせてもらった。赤い尾に、目元から頭頂に伸びた黒い線がりりしい。「新緑のイチョウに集まるいろんな虫が目当て」とリーダーの内田孝さん(79)が教えてくれた。
 落ち葉を踏んで林の奥へ。足下の茂みからシロハラが現れた。地面を歩き、くちばしで葉をめくり虫を探す。遠くの枝からは、チーチョビーの声。「センダイムシクイ。まだ上手やないね」とみんな思わず笑顔になる。
 親子参加の桑原実莉さん(14)は幼い時から鳥が大好き。「ちょこちょこ動いて見飽きません」。将来は鳥を通して環境保護を勉強したいと夢を語る。
 この日は3時間で39種類を確認した。御苑はいま、去りゆく冬鳥と飛来したばかりの夏鳥が混じり合う絶好の観察シーズンだ。

【2011年4月27日掲載】