京都新聞TOP > 観光アーカイブ > 京都・滋賀観光深堀り
インデックス

今どきの修学旅行

「定番」「サブカル」「食」行き先多様
昼食後、餃子の王将発祥地の碑の前でタクシー運転手から説明を受ける修学旅行生(京都市中京区・餃子の王将1号店)

 京都の修学旅行シーズンがピークを迎えている。6月は中学校が特に多いが、行き先を自分たちで選んで行動する今どきの修学旅行生は京都でどんなコースを楽しんでいるのだろう。土産袋を手にした制服姿の生徒でにぎわう観光地で探った。

 京都への修学旅行は5〜6月が最も多い。中学生は団体移動よりもグループ別行動が主流で、事前に選んだ場所を少人数で巡る。

 市内で約30の修学旅行生グループに話を聞くと、旅程は2〜3泊で小遣いは8千〜1万5千円。買いたい土産は八ツ橋と、傾向は昔とそれほど変わらないようだ。

 移動方法は学校ごと契約するタクシー利用が多い。運転手が「お目付役」となり、学校側が安心できる点が人気で、修学旅行を多く手がけるタクシー大手の弥栄自動車(下京区)は最近のコースの多様化に注目する。

テレビなどで影響

アニメグッズ店で買い物を楽しむ修学旅行生。京都限定の菓子やTシャツを買っていく生徒が多いという(南区・アニメイトアバンティ京都店)

 同社によると、清水寺や金閣寺、銀閣寺を巡り、北野天満宮や白峯神宮、地主神社でそれぞれ学業や運動、恋愛に願を掛けるコースが「定番」という。だが一方で、人気アニメ「けいおん!!」を制作した京都アニメーション(宇治市)の直営ショップを訪ねる生徒が増えていて、アニメグッズ店「アニメイト」も人気だという。

 アニメイトは新京極店(中京区)に続き、4月に京都2店目のアバンティ京都店(南区)を出店したばかり。修学旅行生にはTシャツやストラップ、京滋と大阪限定のアニメイラスト入り「三姉妹の草だんご」がよく売れる。栃木県の男子生徒(15)は「地元にはグッズ店がないので、修学旅行で来てみたかった」と話し、豊かなサブカルも京都の魅力の一つのようだ。

映画村改装でアピール

修学旅行生に人気の忍者パフェ。4人前の量があり、みんなで分け合って食べる(右京区・東映太秦映画村)

 昼食は「お約束」のお好み焼きに加え、女子は食べ放題が人気のスイーツパラダイス四条河原町店(中京区)へ、男子は安さとボリュームで知られる京都発祥の「餃子の王将」へ行きたがる生徒が増えている。「テレビで紹介されて関東の若者の間で人気が急激に高まっている」(王将フードサービス)のが理由で、四条大宮の1号店(中京区)を訪れ、“聖地巡礼”気分を味わった東京都の中学3年大矢宙平さん(14)は「京都ならではの昼食を食べたかった」と満足そうだ。

 変化する修学旅行生の動向に施設側も苦心する。東映太秦映画村(右京区)は、秋の修学旅行シーズンに向け園内を大幅改装中。ピーク時に250万人を超えた年間入場者は、昨年度は約80万人にとどまり、好みが多様化する修学旅行生の取り込みに躍起だ。

 昨年は、新たな名物としてバケツに入った忍者パフェ(1980円)を開発した。4人前の量を分けあって食べるのが人気を得て、「改装や新たな名物で、後輩に口コミで面白さを伝えてもらえる施設にしたい」(営業部)と期待を込める。

 秋は高校生の修学旅行シーズンで、中学生よりもさらに買い物志向が強まるという。弥栄自動車の深見宜隆営業課長は「近ごろの生徒はネットで店をよく調べていて一乗寺のラーメン店をはしごする『京都通』もいた。JR東海のCMやタレントの発言などメディア情報が生徒の行き先に大きく影響している」と分析している。

誘致へあの手この手

出発前に着物に袖を通した感想を話し合い、談笑する修学旅行生たち(南区・東寺洛南会館)

 修学旅行生の入洛は、新型インフルエンザの影響で2009年は前年比5万人減の96万人だったが、01〜08年は100万人を超え、京都の人気は安定している。ただ、国内外で誘致競争は激化していて、京都でもさまざまな取り組みが進む。

 和装産業振興財団(京都市下京区)は、和装で京都歩きを楽しんでもらおうと着物レンタルを実施している。年間70校以上の申し込みがあり、茨城県の中学3年鶴田紗也佳さん(15)は「せっかく京都に来たから着物で歩きたかった。少しきついけど楽しみです」と笑顔をみせる。

 京都市は4年前に修学旅行に特化したサイトを公開した。希望する学校にはハンドブックや地図を無料で送付し、全国の学校で京都をPRする訪問活動も2000年から続けている。「九州新幹線も全線開通し、今後は九州の学校へPRを強めたい」(産業観光局)としている。