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節電の夏 川遊びで涼

南丹・美山でツアー  渓流に入り滝登りも
左・岩をつかみ、全身を使って慎重に滝を登る。シャワーのように水を浴びることもある(南丹市美山町)
右上・前の人につかまりながら広い本流を渡る。流されず安全という
右下・川の流れに任せて浮く。ライフジャケットがあるので沈む心配はないという


 うだるような暑さの京都の夏。節電の今年は、どうやってしのごうかと頭を悩ませている人も多いのでは。冷たい水に触れ、涼を得るのは心地よく、しかもエコ。プールもいいですが、自然の川で遊ぶのも刺激的です。アウトドアブームもあり、初心者でも楽しめる沢登りやラフティング(急流下り)などツアーが増えています。

安全対策しっかり冒険気分 自然の中で生き生き

 南丹市美山町で自然ツアーを行う「田歌舎」。6月下旬、兵庫県丹波市の徳田英和さん(37)と妻の幸子さん(35)、小学5年の菜々文(ななみ)さん(11)、3年の瑞央(みお)さん(8)が、川に飛び込んで泳いだり、沢や滝を登るなど総合的な川遊びを体験できるツアーに参加した。普段はプールで遊ぶ程度だという。

 田歌舎は、自然ガイドの藤原誉さん(38)が2004年に設立、ラフティングやリバートレッキング(川歩き)、キャニオニング(沢下り)など、多彩な川遊びのプログラムを持つ。ここ数年、30代前後の社会人や親子連れの参加が増えているという。

 この日、4人は午前9時半に集合し、沢歩き用のくつ、ライフジャケット、ヘルメットなどを着用した。藤原さんから注意点を聞き、浅い場所で水に浮く練習をして出発。まずは山道を歩く。トゲのあるコルクの木や、かつて炭焼きをしていた人が通った山道、ミヤマクワガタなど、普段見ることのない自然の姿に驚きながら、由良川を目指す。

 汗ばんできたころ、斜面の下に川が見えた。「少し急だけど頑張って降りましょう」。木で確保したロープを使って降りる。ちょっとした冒険気分だ。川に着くと、「流れに任せて浮いてみましょう」。急な流れに瑞央さんははしゃいだが、菜々文さんは怖がり、幸子さんと手をつなぐ。

 全身を浸しながら歩いて支流の谷に到着。今度はごつごつした岩の間を歩く沢登りだ。時々小さな滝があり岩肌を握って、全身でバランスをとって登る。菜々文さんも、水しぶきを浴びて生き生きとした表情になった。

 帰途は林道を歩いて由良川へ。深い淵(ふち)に飛び込んで遊んだ後、スタート地点まで泳いだ。出発から約5時間。2人は「スリルがあって楽しかった」と声を弾ませた。

 藤原さんは「京都の山は標高が低いので、森や生き物が豊か。遊びを通じて、自然を大切に思う心や、自分の体の中で眠っている運動能力を知ってほしい」と話した。

ラフティング人気高まる 保津川で10社以上がツアー

ラフティングを楽しむ若者が増えている。保津川は起伏が多く、渓谷が美しいことが魅力という(亀岡市保津町)

 保津川(亀岡市)でのラフティングもここ4、5年で人気が高まっている。出発地点になっている同市のトロッコ亀岡駅周辺にはテントに事務所を構えた業者が点在し、夏には10社以上が、ツアーを組むという。

 7年前、大工とガイドを兼業していた高土英輝さん(45)は、独立して「GREEN WAVE」を作った。「危険も伴うが、自然の姿とは何か、を多くの人に知ってほしい」との思いからだ。保津川は流れが複雑で起伏があり、渓谷の景色が美しい。交通アクセスの良さも利点だ。

 業界大手「ビッグスマイル」では、午前と午後に出発する半日コースが人気で、シーズン中の週末は1日に約200人が参加する。「新しいスリルを求める30代前後の人が多い」

ガイドの技術確認

 水と遊ぶ上で気になるのが安全の確保だ。安心できるツアー会社では、参加者すべてが保険に加入するのはもちろん、ガイドが救急救命の講習を受けていたり、消防士を招いて水上でのレスキュー訓練を行っている。参加する前に、どんな対策が取られているか確認が必要だ。

 日本山岳ガイド協会(東京都)は安全なツアーを行う自然ガイド養成のため検定試験や講習会を行っている。スポーツ障害や自然環境、テーピング技術などの知識や実技が問われ、このガイド資格の有無も参考になる。

メモ 京滋では、保津川のほか、木津川や瀬田川などでもラフティングやカヌーが楽しめる。

 美山町や比良山系などで、キャニオニングやシャワークライミング(沢登り)を体験するツアーもある。キャニオニングはフランス発祥で、川を上流から下りながら、天然のウォータースライダーや滝つぼへの飛び込みなどを行う。シャワークライミングは日本独特のスポーツで、川に身を浸して上流へ向かったり、流れ落ちる水を浴びながら滝を登る。

【2011年7月13日掲載】