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夏場の観光地 にぎわい戻る

「京の七夕」中心に集客効果
2年目を迎え、多くの見物客でにぎわった京の七夕(6日夜、京都市中京区・堀川)

 8月もきょう31日でおしまい。夏休み期間の7〜8月、東日本大震災の影響が和らいだこともあり、京都市内の観光地はにぎわいを取り戻した。例年は閑散期となる夏場の京都だが、2回目を迎えた「京の七夕」は順調に客足を伸ばし、節電の夏に涼を求めて郊外の避暑地にも多くの家族連れが訪れた。

夏の旅映画村 8月に客足伸びる

夏休み中に多くの家族連れでにぎわった東映太秦映画村のチャンバラショー(右京区)

 祇園祭の山鉾巡行後から五山送り火までに京都への観光客が落ち込む夏場は長年の課題だった。閑散期対策として昨年始めた「京の七夕」を中心に徐々に集客効果が表れた。

 今年の京の七夕(6〜15日)は好天に恵まれ、前年より8万3千人多い78万6千人が訪れた。内訳は集計中だが昨年の調査では約半数が府外からの訪問者だったといい、震災復興支援で仙台市と協力した七夕飾りや東北物産展が人気を集めた。実行委は「期間中は地下鉄やバスの利用が増え、手応えはあった」と話す。

 京都市観光協会が史跡を特別公開する「京都夏の旅」は7月は低調だったが8月は客足が伸びた。「震災による出控えが一段落し、九州新幹線の開通効果もあった」(同協会)という。特にヴォーリズ設計の洋館や庭園を巡る定期観光バスが人気で、参加した兵庫県尼崎市の主婦柳順子さん(59)は「夏の京都は暑いから敬遠していたが、特別公開にひかれた」と話した。

 家族連れが多い東映太秦映画村(右京区)でも8月の入場者は昨夏をやや上回り、震災後の落ち込みが回復しつつある。中でもお化け屋敷は1日2千人が訪れる人気ぶり。「近畿や四国、中国など他府県ナンバーの車が多かった」(営業部)といい、「安・近・短」の観光需要をうまく取り込んだようだ。

「涼」求め山へ川へ 保津川下り、2割増加

比叡山での涼を求める家族連れが多く利用したケーブルカー(左京区・ケーブル八瀬駅)

 郊外に涼を求める観光客も目立った。京福電気鉄道(中京区)が運行する比叡山へのケーブルカーやロープウエーは、週末のナイター運行も好評で8月の乗客は前年同月より約1割増えた。叡山電鉄(左京区)では、川床のある貴船方面への乗客が増え、猛暑日が続いた昨夏よりも微増。「節電で暑い家にいるよりも涼しい郊外が好まれた」とみる。

 風に吹かれて料理を楽しむ川床も好調だった。京都鴨川納涼床協同組合は「昨夏と同等かやや増えた感触。自粛ムードから、外食にお金を使えるようになってきた」(久保明彦理事長)とみる。貴船地区でも、川床の右源太(左京区)は「昨夏より1割ほど利用が増えた」といい、厳しい残暑が予想される9月も増客を見込む。

 保津川下りも7月初めから8月中旬まで前年比で約2割増、トロッコ列車も同約1割増と好調だった。「団体客の落ち込みを個人客が埋めた」(嵯峨野観光鉄道)という。アウトドアブームで、保津川のラフティングもお盆時期を中心に若者らでにぎわった。

外国人観光客の回復は道半ば

 イベントの活況や震災影響の落ち着きなどで夏休みのレジャー客らでにぎわう観光地も多い一方で、厳しいデータもある。

 京都総合観光案内所(下京区)によると、8月29日までの月間利用者数は約6万7千人(外国人を含む)で昨年より約12%も減少している。「原発問題や円高の影響で外国人観光客の回復は道半ば」(市内のホテル)で、秋の観光シーズンに向け、訪日客の誘致は依然課題となっている。

【2011年8月31日掲載】