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琵琶湖の水鳥観察、冬季壮観

約70種「見ていて飽きない」
穏やかな夕暮れ。湖面を縫うようにコハクチョウの群れが泳ぐ(長浜市湖北町・湖北野鳥センター前の琵琶湖)

 琵琶湖の水鳥観察のベストシーズンがやってきた。コハクチョウやカモ類が越冬のために北国から次々と渡ってきており、数え切れないほどの鳥が湖に浮かぶ姿は壮観だ。湖岸には望遠鏡などを備えた施設が点在しており、気軽に立ち寄るだけで本格的な観察が楽しめる。

 夕暮れの中、コハクチョウの群れが悠然と泳ぐ。長浜市の湖北野鳥センター。目の前に遠浅の湖面が広がり、「日本の夕陽(ゆうひ)百選」にも選ばれた絶景だ。

 コハクチョウは多い日に500羽を数える。さらに一帯が越冬南限地とされる天然記念物のオオヒシクイ、さまざまな種類のカモ類など、冬季(11〜2月)には約70種の水鳥、数千羽が集まり、水草をついばむ。

 センターには専門スタッフが常駐。水鳥の種類や性別はもちろん、エサを取ったり、ケンカをしたり、一羽ずつの行動を分かりやすく来場者に解説する。野鳥好きで職員に転じた元中学教諭の植田潤さん(42)は「気が短かったり、のんびりしていたり、同じ水鳥でも一羽ずつ性格が違う。見ていて飽きないですよ」と勧める。

オオバン筆頭に16万羽、雪マーク要チェック

 そもそも琵琶湖を中心とする滋賀県には、何羽の水鳥がいるのか。数え切れないほどの水鳥を数えようと、野鳥団体の数百人が毎年1月、水辺に立ち、1羽ずつカウントしている。今年は計16万602羽を数えた。種類別ではオオバン、キンクロハジロ、ヒドリガモの順に多く、近年ほぼ同じ傾向が続いているという。

 ただ、水鳥は、その日の天候次第で移動し、数が大きく変わる場合もある。琵琶湖では、福井県以北の北陸で大雪が降った日以降にエサを求めて増える傾向にある。同じ県内でも、北部が雪雲に覆われると、南部へ向かう鳥が多くなり、「湖岸に立つと、鳥が次々と南へ向かう光景が見られる。天気予報で北部に雪マークが出た日は要チェックです」(植田さん)という。

「気軽に」市民手作りのスポットも

草津でも見られるコハクチョウ

 市民手作りの観察スポットもある。草津市志那町の湖岸では、「草津湖岸コハクチョウを愛する会」が9年前から冬季限定の観察所を開設。今年は12月3日にオープンする。既に今月27日、コハクチョウのカップルが初飛来した。

 現地では生態の解説も行い、事務局の吉岡美佐子さん(64)は「都会の近くなのに、コハクチョウなど多い日には約5千羽を観察できる。近くに駐車場もあるので気軽に立ち寄り、琵琶湖の自然の豊かさを体感してほしい」と呼び掛ける。

◇主な観察スポット

湖北野鳥センター(長浜市湖北町)
TEL0749(79)1289

新旭水鳥観察センター(高島市新旭町)
TEL0740(25)5803

草津水鳥観察所(草津市志那町)
携帯電話090(5663)8086

このほか日本野鳥の会滋賀のホームページで滋賀の探鳥池を紹介している。

鴨料理、湖国を代表する冬の味覚

ネギやセリと味わう「鴨すき」

 琵琶湖に飛来するカモを用いた鴨(かも)料理が湖国では古くから食されてきた。琵琶湖一帯が40年前に狩猟禁止になって以降は、北陸方面からカモを仕入れる店が多く、湖国を代表する冬の味覚として今も親しまれている。

 鴨すきを名物とする長浜市内の料理店では、青首の真鴨のみを使用し、ネギやセリ、豆腐、こんにゃくとともに鍋に入れる。骨肉をミンチにした団子状の「たたき」からだしを取り、最初はあっさりと、炊くほどに味わいが増す。うどんや餅を締めに入れてもおいしい。長浜観光協会TEL0749(62)4111で、店を紹介している。

【2011年11月30日掲載】