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(4)黒鳥の産卵

ひなの誕生心待ち そっと見守りたい
カラスの来襲。卵を守る親鳥を威嚇するように急降下する。
 柔らかそうなわらが敷かれた巣に、黒い羽と赤いくちばしの一羽がうずくまる。別の一羽が見守るように、つかず離れず水辺を漂っている。
 内堀と中堀で、黒鳥のペア二組が卵を産んだ。順調なら四月下旬にひなが生まれるはずだが、過去三年間、卵は産んでもひなはかえっていない。
 原因は、まずカラスだと考えられている。親鳥が巣を離れたすきに卵を狙う。人間が与える餌も一因とされる。親鳥が岸辺に近づき、首を伸ばして餌をねだる姿を多くの観光客は喜ぶが、その間、巣は無防備になっている。長い時間、抱かれない卵は冷えてしまう。
 花見シーズンは、さらに受難が待ち受ける。卵を抱くことに専念できるよう、落ち着いた環境が必要だが、酔客が夜ふけまで騒ぐ。残飯を目当てにカラスも増える。揚げ物やスナック菓子など親鳥が口にすると体に悪いものまで堀に投げ込まれる。
 無事にひながかえり、親鳥と仲良く泳ぐ姿を見るためには、遠くからそっと見守りたい。
【2007年3月27日掲載】