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(6)山崎曲輪のたたずまい

落ち着いた風情 静かに感じ取る
「花 城ニ満ツ」。漢詩の一節を思わせるような風格がただよう山崎御門
 桜が開花した城内は華やいだ雰囲気に包まれる半面、にぎやか過ぎて疲れる人もいるだろう。そんな時は山崎曲輪(くるわ)へと足を延ばせば、古城の落ち着いたたたずまいや桜の風情を静かに感じることができる。
 山崎曲輪は松原内湖からの敵を防ぐために、城の北端に船のへさきのように突き出して築かれた。天守閣から離れているため観光客の姿は少ない。
 彦根西中の正門脇に「この先行き止まり」と書かれた看板を通り過ぎ、内堀沿いの小道を三百メートルほど進むと右手に山崎曲輪が見える。石垣上で咲く桜や内堀と中堀が交わる珍しい風景を眺めることができる。
 近くには城山公園事務所作業員の詰め所がある。十数人の作業員は、忍者のように石垣や天守閣の屋根に登って清掃することもあれば、ハクチョウの世話から樹木の手入れまで一年を通じてあらゆる作業を担っている。もし薄緑色の作業服姿の人たちに出会ったなら、城のことを尋ねてみると、思わぬ見どころを教えてもらえるかもしれない。
【2007年4月10日掲載】