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(20)表御殿の奥向

譜代筆頭大名の暮らしぶり肌で
藩主の私的空間にあたる奥向。局や御亭などが入り組んだ廊下で結ばれている
 表門を入って正面に立つ彦根城博物館は、彦根藩の政庁だった表御殿を復元している。井伊家伝来の宝物や古文書を展示する鉄筋コンクリート造りのスペースの奥には、藩主が日常生活を営んだ木造棟が広がる。
 十一月二十五日までの国宝・彦根城築城四百年祭の期間中は、最も私的な空間にあたる「奥向(おくむき)」を特別に公開している。譜代筆頭の格式を誇った大名御殿のたたずまいや暮らしぶりを感じる絶好の機会となっている。
 藩主の寝室だった「御寝之間(ぎょしんのま)」のさらに向こうに長い廊下が迷路のように延びる。その先を進むと「御客座敷」「局(つぼね)」や唯一の二階建て建築「御亭(おちん)」などが広がっている。昼でも薄暗い迷路のような廊下に障子からぼんやりとした日が差し込み、しっとりとした雨に濡れる坪庭のたたずまいも楽しむことができる。
 見学するだけなく、実際に使ってより深く風情を味わいたい場合にも方法がある。あまり知られていないが、博物館は観覧に支障がない場合、奥向の各部屋を茶会などの利用向けに有料で貸し出しているという。
【2007年7月24日掲載】