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(22)京橋からの夕景

中堀を望む姿 ひときわ美しく
この時期、午後7時ごろから半時間ほど、刻々と移り変わる空の色を眺めることができる
 石垣に伸びる木立の間からヒグラシの涼しげな鳴き声が響き、頭上でアオサギやカラスが城山のねぐらに向かって飛んでゆく。あかね色に染まった雲が水面に映り、涼しい風が吹き抜ける。城の夕景のなかでも、京橋から中堀を望む姿はひときわ美しい。
 彦根城は四百年前の築城時、京都から進軍してきた敵への防御を最も重視した。城の正面にあたる京橋口には高麗門や二重櫓(やぐら)などを備えた堂々たる城門が築かれていたことを、明治期の古写真は伝えている。
 京橋から中堀沿いに西へ向かう散策ルートは見どころが多い。木立の間から天守閣を仰ぎみることができる。神社様式のキリスト教礼拝堂として全国的にも珍しいスミス記念堂も今春、この中堀沿いに再建された。
 残念なことに、写真ではちょうど夕日が沈もうとしているあたりでマンションの建設工事が進んでいる。市は六月に景観条例を定めて建物の高さ規制の強化に乗り出した。彦根城や城下町の景観を守り、世界遺産登録に向けた行政の取り組みは、ようやく始まったばかりだ。
【2007年8月7日掲載】