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(23)スミス記念堂

柔らかな歌声 建物にしっとりと
中堀沿いに再建されたスミス記念堂。開け放たれた観音扉の正面に天守閣がそびえている
 彦根城天守閣と似た形の花頭窓が壁の両側に設けられ、玄関の扉には、ぶどうや十字架による欧風の文様と「松竹梅」をモチーフにした和風の彫刻が刻まれている。
 社寺建築様式のキリスト教礼拝堂として全国的にも珍しいスミス記念堂が今春、本町三丁目の中堀沿いに再建された。
 滋賀大経済学部の前身にあたる彦根高等商業学校で英語教師を務めた米国の宣教師パーシー・アルメリン・スミス氏の呼びかけで、礼拝堂は一九三一年に建設された。
 九六年の道路工事で取り壊されたが、滋賀大経済学部関係者や幅広い市民が母体となって資金を募り、再建に取り組んだ。作業は、当時の部材の九割以上を生かし、彦根城天守閣を修復した工務店が担った。
 月曜を除く午前十時から午後四時まで無料公開しているほか、市民の文化イベントの会場にも活用されている。アカペラグループのコンサートを聴いた人からは「賛美歌が響くように、柔らかな歌声が建物にしっとりとなじんで心地よかった」という声が上がった。
【2007年8月14日掲載】