京都新聞TOP > 観光アーカイブ > 彦根築城400年祭
インデックス

(25)博物館の能舞台

寛政年間の部材 元の位置に復元
江戸時代の姿を復元した能舞台。音響面の仕掛けが施されている
 舞台の表板はつやが出るまで磨き上げられ、四隅を重厚な柱が囲む。奥の鏡板には老松が描かれ、上部の蛙股(かえるまた)には、井伊家の家紋が刻まれている。
 彦根城博物館の能舞台は、寛政年間の部材を活用し、元通りの位置に復元した。舞台そばの茶席から、白州に囲まれて城山を背景にした風情を間近に眺めることができる。
 朗々たるせりふや鼓が響くような音響面の仕掛けや手入れに工夫が凝らされている。床下の地面に巨大なしっくいのますが設けられ、舞台全体が一つの楽器のように音を増幅して反響する。能や狂言の所作の特徴の一つ、すり足の時に演じやすいように、米ぬかの袋と豆乳で磨かれている。
 武家の儀式の楽舞として井伊家は能や狂言を重んじた。多数の役者を召し抱え、藩主自ら入門したり独自の作品を執筆した。藩士や町人などの素人役者が舞台に立つこともあったという。
 二十五日から九月二十七日まで博物館で開催中の特別企画展では、井伊家に伝わる能面と能装束の名品の数々を展示している。
【2007年8月28日掲載】