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(28)玄宮園の夜間公開

楽と虫の音 織りなす幽玄
鏡のように静かな水面に木立ちが映り、優雅な雅楽の調べが流れる
 内堀の北側に広がる庭園「玄宮園」は、四代藩主直興の時代に造営され、古代中国の皇帝玄宗の離宮にちなんで名付けられた。
 回遊式の広大な園内は、魚躍沼(ぎょやくしょう)と呼ばれる池を中心に、竹生島や沖の白石などを模した石や樹木、築山が配されている。小道や島を結ぶ七つの木橋を渡っていくごとに、情景は多彩に変化する。かつて藩主が客をもてなした鳳翔台は茶席として公開されている。
 雪景色や新緑、しっとりとした雨にぬれる木立ちなど四季折々の風情が楽しめるが、なかでも秋の夜に、「武蔵野」と名付けられた芝生の広場から望むライトアップされた天守閣は見応えがある。
 毎年、九月には「虫の音を聞く会」としてライトアップし夜間公開され、毎週木曜には「船雅楽」が開かれる。鏡のように静かな水面(みなも)を滑るように進む小舟では、古式ゆかしい装束に身を包んだ楽人が笙(しょう)や横笛を奏でる。涼しげなスズムシの鳴き声と木立ちのかすかなざわめき、ゆったりとした調べが溶け込んで、訪れた人を魅了する。
【2007年9月18日掲載】